「第10回アイビスSD・GIII」(芝1000m)は18日、新潟11Rに18頭で争われ、好スタートからハナを奪った8番人気{horse=2004103689:ケイティラブ}がそのまま悠々と押し切って、重賞初制覇を飾った。勝ちタイムは53秒9。2着は3/4馬身差で3番人気ジェイケイセラヴィが粘り、3着には16番人気マルブツイースターが入った。鞍上の西田にとって96年七夕賞以来、実に14年ぶりの重賞V。「実はちょっとレース前から自信を持っていたんです。去年の夏に僕が乗って勝った時(稲妻特別=1000万下)が強かった。当時から、ぜひアイビスSDを使えれば…と思っていました」。お立ち台に上がった西田は会心の笑みを見せた。
レース後しばらく、西田のもとには祝福の声と握手が相次いだ。95年に新人騎手賞を獲得し、翌96年には七夕賞で重賞初V。だが、99年2月28日の中京での騎乗を最後に同年秋、いったんムチを置いた。交通違反で起訴されたため騎手免許の取消を申請し、JRAも受理。宮城県の山元トレセンでの勤務などを経て、05年に騎手試験に再合格した経緯があった。社会人としてひと回り大きくなってターフに戻ってきた苦労人の、競馬に対する真摯(しんし)な姿勢を関係者は知っていた。
ケイティラブの次戦は「馬の調子を見てから」(野元師)と未定だが、夏の短距離女王を目指す可能性が高い。「これまでいろいろありましたけど、応援してくれる人がいましたからね」と西田は勝利の喜びをかみしめた。渋い輝きを放ち始めた人馬が、今後のサマーシリーズを一層盛り上げる。
提供:デイリースポーツ