同じ舞台で新馬戦を勝ち上がった
ヴァナディース。デビュー戦を迎えるにあたって陣営の不安点はひとつだった。「ゲートも速いし、前向きな馬。一気に掛かっていってしまう可能性があったんだ」。
テンションが上がり過ぎることのないように、加藤征師はあえて馬なりのみの調教で、速い時計を出さずに送り出した。
だが、不安は杞憂(きゆう)に終わった。レースでは、好位3番手につけながら折り合いに苦労するそぶりは全く見せず、直線では追い出しを待つ余裕を見せて1馬身1/4差で完勝した。
「前向き過ぎるところがあるので慎重に構えていたけど、道中もうまくいい感じでいけました」。初戦を振り返った吉田豊だが「ただ、レース後は一度もまたがっていないんですよね。
テンションさえ上がっていなければ、いい切れを生かせるはずですが…」と不安な表情をのぞかせる。
しかし、幸いなことに
テンションは上がっていない。「短期放牧を経て、美浦に戻ってからもムキになっていないし、意外と落ち着いている。初戦もまだ脚を余していた。時計もいくらでも詰められる」と師は強気な姿勢を崩さない。
有り余るほどの
スピードがあった半姉の
ラインクラフトは、5つの重賞タイトルを手にした。まずはひとつ目の重賞Vに自信を深めることができるか、注目だ。
提供:デイリースポーツ