阪神芝でシャープな伸び脚を披露したグリーンバーディー=阪神競馬場
昨年2着の香港馬グリーンバーディーが、阪神芝をリズミカルに駆けた。ダクからキャンターに移り、コースの5分どころを通って徐々にペースアップ。鞍上のゴーサインに応えてしまいをしっかりと伸ばし、3F41秒0-11秒8をマークした。「最後の400mをしっかりと追うように指示した。動きは良かったね。完璧」と見届けたファウンズ師は絶賛した。
59キロの斤量を背負わされた昨年は、終始内に包まれる形になり4角最後方。それでも持ち味の鋭脚で馬群を割ると、55キロのダッシャーゴーゴーに首差まで迫って力をアピールした。今回はライバルと同じ58キロでの対決。「(昨年より)わずか1キロ差だが、軽いに越したことはないね。速い流れになりそうなことも歓迎」と指揮官は好転する条件に笑顔を浮かべる。
「次を見据えて7、8割の仕上げという訳ではない。目の前のレースに全力で臨むだけ」。GIへのたたき台という認識も真っ向から否定した。おしなべてレベルの高い香港の短距離路線。培った力を改めて誇示すべく、開幕週の仁川をフルスロットルで疾走する。
余力残しの最終リハだった。4歳馬ラッキーナインは、同厩のグリーンバーディーに先んじて馬場入りし、阪神芝を単走。コースの真ん中をソツなく駆け抜け、3F44秒6-12秒3を計時した。時計的には平凡だったが、陣営にとってはもくろみ通り。「彼のやる気を前に出したかったので、もともと強く追う気はなかった」とファウンズ師は調教の意図を説明した。今回が初来日。そもそも移籍後は長距離輸送自体も経験がないが「馬はフレッシュで、状態がいい」と仕上がりの良さに胸を張る。
「正直、(6F戦は)短いとは思うが、潜在能力を信じたい。斤量(59キロ)も克服してくれると思う」。今後を見据えた経験値稼ぎの面は確かにあるだろう。しかし、それ以上に伸び盛りの4歳馬への期待度は大きい。
提供:デイリースポーツ