岩田を背に栗東CWで追われたアヴェンチュラ(中央)、右はグルヴェイグ
勢いは天井知らずだ。
アヴェンチュラは栗東CWで3頭併せ。最内へ潜り込んだ直線は、開門直後の調教ラッシュで馬が密集。手綱を押さえて進路を探すと、馬込みをかき分けるように鋭い反応を繰り出した。馬なりだったが、6F85秒8-40秒0-11秒8を計時。同じくエリザベス女王杯に参戦する
グルヴェイグに半馬身、
エアウルフ(4歳1600万下)には1馬身の先着を果たした。
またがった岩田が納得の表情を浮かべる。「気持ち良さそうだった。前走以上に調子を上げているし、素晴らしい動き。やっぱり、すごい馬やなって感じた」。初騎乗だった秋華賞で得た感触を上回る手応えをつかむ。
角居師も成長ぶりに目を細めた。春のクラシックを骨折により棒に振ったが、結果的にはこの休養が吉と出た。2歳のころは、父のジャングルポケットや全兄フサイチホウオー、全姉
トールポピーなどに共通する特有の馬体が災いしていたという。「背中が長くて、前駆も後駆もすごい。だから、しなり過ぎて背中に傷みが出る。そこからくるストレスもあった」と説明。不安が解消したのは連勝街道が示す通り。「体がしっかりして、精神面も安定している」と完成形へと近づいていく姿を誇らしげにした。
秋華賞を制し、目下3連勝中。「今度は外回りなので、それを頭に入れながら。掛かる馬じゃないし、乗りやすい。いい勝負ができる」と主戦は胸を張った。真の女王へ。良血馬が再び頂を目指す。
提供:デイリースポーツ