今年の秋華賞4着と健闘した
アカンサス(牝3、父フジキセキ)の妹、
メイユール(牝2、父ハーツクライ、母センスオブアート)が12月11日(日)、中山5Rの牝馬限定の新馬戦、芝1600mでデビューする。
同じ畠山吉宏厩舎にいる青毛の姉に対して、妹は芦毛と外見は対照的だが、気性は姉にそっくり。「お姉ちゃんは、ゲート試験に合格して、速いところをやり出したところで、飼い葉食いが悪くなってしまったのですが、
メイユールも同じなんですよねえ。現段階で450キロですから、入厩してきた頃に比べると20キロ以上は減ってしまいました。体がしっかりしてきて、飼い葉を食べられるようになってくれればと思います」と、畠山師のコメントはやや控えめ。
しかし、動き自体は追い切りを重ねるごとに良化してきており、担当の増田厩務員も「まだ背腰に弱いところはありますけど、そう恥ずかしい競馬はしないと思うんですけどね。あとはレース当日まで、何とか飼い葉を食べてくれれば」と、不安をのぞせながらも、ひそかに期待を寄せていた。
普段の
メイユールは、増田さんの上着を引っ張って遊ぶなど、人懐っこくて甘えん坊。その可愛い女の子が、レースに行ってどんな走りを見せてくれるのか。
アカンサスも、約1年前の12月18日の芝1600mの牝馬限定でデビューしたが、
メイユールも申し合わせたように、同じ条件でのデビューとなった。果たして、姉に続くことができるのか。レース振りが今から楽しみだ。
姉・
アカンサスも、妹と同日のレースに出走する。中山10Rの美浦S(3歳以上1600万下)だ。
1週前には、時計が出やすい馬場だったとはいえ、坂路で48秒台という速い時計が出ていて、今週も50.2-12.7と、馬なりながら好時計を叩き出しているように、仕上がりは良好。
「これまでは牝馬同士のレースを選んで使ってきましたが、今回は古馬相手で、しかも牡馬も一緒のレースですからね。そのあたりの力関係がどうかですね。ただ
ホエールキャプチャが、古馬相手のエリザベス女王杯でも差のない競馬をしていますからね。秋華賞では、その
ホエールキャプチャと、ウチの馬も差のないレースをしていますので、それを考えると初の古馬相手でもやれるのかなとは思っています」と畠山調教師。あとは引っ掛かって6着と敗れた紫苑Sの二の舞にならないように、折り合いがうまくつくかが鍵。しかし、スイートピーSで勝利に導いた後藤騎手なら大丈夫と、師もジョッキーの腕を信頼していた。
同厩舎で、先週12月4日(日)の中山11RターコイズSで14番人気で勝利し、単勝万馬券、WIN5で高配当を演出した
マイネプリンセス(牝5歳)は、レースは未定も、このまま在厩して調整される。
やはり同厩舎の2005年CBC賞(GII)の優勝馬・
シンボリグラン(牡9歳)が、12月7日付けで登録を抹消された。今後は、馬事公苑で乗馬となる予定。
畠山調教師は「気性が激しい馬でしたが、上のクラスに行く馬というのは、クセのある馬が多いですからね。それに、普通はなかなか9歳まで走ることはできないものです。能力があっても脚元に不安があったりと、長く現役を続けられる馬は少ないですから。走り続けられたこと、それ自体がグランの持って生まれた能力だと思っています」と、短距離路線を賑わせてきた同馬を称えた。長年、苦楽をともにしてきた増田厩務員も「激しい気性で苦労もありましたけど、そういう子ほど可愛いものですよ。今は寂しいというよりも、無事に引退させてあげられたことにホッとしています」と愛馬をねぎらっていた。[取材:佐々木祥恵]