先週、2011年のJRA35勝目をマークした西園正都厩舎。2009年、2010年と2年連続して、開業以来最多のJRA35勝を挙げていたが、今年はあと2週も残っているだけに、厩舎の年間最多勝を更新する可能性は高い。
今週は12頭の出走が予定されているが、なんといっても注目は朝日杯FSの
ハクサンムーン。11頭のうち、2頭しか入れない出走枠に見事抽選で突破した強運を持っている。
「デビュー前の追い切りでは
サダムパテックを煽って、抜群の動きを見せていた馬。初戦も出遅れた不利を挽回して余りある
スピードで押し切ってくれました。キャリアの浅さや1600mの距離、長距離輸送など未知な面は多いけど、それが気にならない魅力がありますね」と師。今週の最終追い切りも
ヴァリアシオンを煽って、同世代とは脚力が違うといった走りを見せるほど。
ただ枠順の7枠13番はかなりロスのあるところ。師も馬番を聞いた瞬間に表情は曇ったが「
スピードがある馬だし、隊列が決まる前に2、3番手につけてしまえば」と
ハクサンムーンの
スピード能力に全幅の信頼を置いている。
一方、朝日杯FSの抽選に落ちて、ひいらぎ賞へ出走したのが
ヴァリアシオン。
師は「今週の追い切りでは
ハクサンムーンに隠れて目立たない動きだったけど、すんなり勝って不思議ない能力の持ち主」とこちらへの期待も大きい。
他では、阪急杯を勝っている阪神芝1400mで復活が期待される
エーシンフォワードなど、今週の西園厩舎には要注意だろう。[取材:井内利彰]