ユビキタスの近親セイウンブラボー(撮影:佐々木祥恵)
「現段階で11勝と、例年より今ひとつの成績なので、来年はもっと頑張らなければならない」と気を引き締める鈴木伸尋調教師だが、今週末は2012年に向けて、楽しみな2歳馬たちが大挙して出走する。
まず土曜日、中山6R(新馬/ダ1800m・北村宏騎手)でデビュー予定のセイウンブラボー(牡/父アグネスデジタル 母ラヴィール)。2008年のユニコーンS優勝のユビキタスの近親となる。
「素直だし、体も柔らかいし、馬っぷりもいいですよ。まだ体にゆるさはあるけれど、ユビキタスもゆるくてゆるくて、評価もあまり良くなかったけれど、走ってくれましたからね。ユビキタスに顔も雰囲気も似ていますよ。生まれた時から似ていました。ユビキタスは早い時期からノド鳴りがありましたが、この馬は今のところ、その心配はありません。現在の体重が500?くらい。力馬タイプで、やはりダート向きでしょう。結構、乗り込んでいますし、水曜日の追い切りの動きも良かったですよ」(鈴木伸師)と、初戦から期待できそう。
日曜は2頭がデビュー。中山3R(新馬/ダ1200m・北村宏騎手)のスイートアルメリア(牝/父サクラバクシンオー 母スイートフルーレ)は「いかにもスピード馬という感じですね。幅があって、お尻がドーンと大きくて、筋肉もモリモリで、バクシンオー産駒らしい体型をしていまし、稽古での動きもいいですよ。まだ非力な面もありますから、力がついてくるともっと良くなると思います」(鈴木伸師)。
ナユタ(牝/父アルカセット 母ダンシングハート)は、中山4R(新馬/芝1800m) でデビュー。津村騎手騎乗。
「アルカセット産駒は、気性があまり良くなくて体が硬い傾向にあり、そのあたりが出世を阻んでいる原因だと思うのですが、この馬は体は柔らかいし、素直だし、いいフットワークをしています。顔も品があって、僕の好きなタイプですね。スイートアルメリア同様、まだ非力なので、もう少し力がついてくれれば、さらに良くなってくるでしょう」(鈴木伸師)。
また担当の佐藤浩一厩務員は「柔らかくてフットワークも良くて楽しみですね。ただ気性的につかみづらいところがあります。馬房の中で大人しい時もあれば、ブワーッと襲ってくることもあるんですよ。女心は難しいですね(笑)」と、ナユタの素顔を明かしてくれた。
日曜、中山7RのホープフルS(2歳オープン/芝2000m・ウィリアムズ騎手)には、メイブリーズ(牝/父クロフネ 母シーサイドブリーズ)が参戦。9月25日に札幌で未勝利(芝1500m)を勝ち上がって以来のレースとなるが、仕上がりは上々だ。
日頃、調教で手綱を千葉直人騎手は「力強くていい動きをします。カン性は強いですけど、そういう馬は走りますからね」と素質を高く評価する。
「サンデー肌にクロフネは、走りますからね。サンデーサイレンスの血が入っていることもあって、クロフネ産駒のわりには、柔らかい馬ですよ。水曜日はダートで追い切りましたが、ダートよりも芝の方が良さそうな馬ですね」(鈴木伸師)
その他、土曜、小倉2R(3歳以上500万下/ダ1700m)のニシノサンタロウや、日曜、小倉6R(3歳以上500万下/ダ1000m)のフジノタカワシなど、土日併せて10頭を出走させる鈴木伸厩舎に注目だ。[取材:佐々木祥恵]