根岸Sに出走する高市圭二厩舎のエベレストオーは、ポリトラックでの追い切りでは高市師自ら手綱を取り、万全の調整を行った。
高市調教師は「今日はうなるような勢いでしたよ。ガツンと引っ掛かるところがある馬ですが、今日(水曜日)は2ハロンまでごまかしごまかし半マイルまで行って、そこから気持ち良く行かせました。直線では手前を変えたらスッと伸びました。いい感じでしよ。ただ、ゴールを過ぎても勢いがすごくて、止めるのが大変でした(笑)。それだけ調子がいいのでしょうね。これまで1000mや1200mを使うことが多かったので、ブリンカーをつけていましたが、ハミを噛み過ぎるところがありますし、今回は1400mと距離が延びるのでブリンカーを外します。東京は直線が長いですし、しまいの脚を生かせますからね。4コーナー手前までうまくごまかして脚をためていければ、おもしろいと思いますよ」と、かなり手応えを感じている様子だ。
その高市厩舎から、先週1月21日の中山6R(芝1600m)で新馬勝ちが出た。14番人気の定評価を見事に覆した、父ハーツクライの牝馬、アルコシエロだ。
「ウチの期待馬なんですよ。調教での動きも良かったですし、併せ馬でも先着していましたからね。ただ体がまだ細くて、それがどうかなと思っていました、4コーナーを回ってくる感じが良かったですし、レース振りを見て心肺機能もいい馬なんだろうなと思いました。それにこの馬、根性もありますよ。ゴール後も、耳をギュッと後ろに絞ったまま走っていましたから。耳を左右に動かす馬もいるのですが、ゴールを過ぎても耳を後ろに絞って走っているのは、根性がある証拠です。今回は馬場も悪かったですし、時計も遅かったですが、速い時計にも対応できると思いますよ。このまま厩舎で調整をしまして、2月11日のクイーンCを目指します。これから馬主さんとも相談しますが、できればジョッキーも続けて嶋田純次君に乗ってもらいたいと考えています」と、高市調教師。
アルコシエロが今後、牝馬のクラシック戦線に名乗りを上げることができるか。大いに注目したい。(取材:佐々木祥恵)