デビュー2連勝を狙うステアトゥヘヴン(撮影:佐々木祥恵)
2月5日(日)の東京6Rの3歳500万の条件戦は、日本ダービーと同じ、東京競馬場の芝2400mでのレースだ。この時期の3歳の若駒にとっては、ある意味、過酷な条件かと思われるこのレースに、昨年11月にデビュー勝ちを収めたステアトゥヘヴンが出走する。
管理する鈴木伸尋調教師は「能力が高いのはわかっていたけれど、ダンスインザダーク産駒で気性的に難しいところがありましたし、スタートもそんなに上手な方ではなかったので、新馬戦も半信半疑でした。それがいざ実戦に行くと、ゲートもうまく出てくれて、道中は2番手からの競馬になりましたが、途中から先頭に立つと、そのまま押し切ってくれました。怖がりのところがあるので、後ろから来られると逃げなきゃという感じで走っていたのだと思いますが、それでも能力がなければ勝つことはできませんからね」
「さっきも言ったように、難しい面があるので、下手をすると、走る気をなくす可能性がありそうですし、ガス抜きの意味をこめて、新馬勝ち後は迷わず放牧に出しました。来週の共同通信杯を使うプランもありましたが、1800mよりも2400mの方が合っていると思いますし、早い段階でこのレースに目標を定めました。頭数が多いと、ぶつけられたり、前が詰って騎手が手綱を引っ張ったりというケースもあります。そうなると、気性的にどうなるかわかりませんからね。その点、この時期の2400mは頭数も少ないですし、徐々にレースに慣らしていくという意味でも、このレースはいいと思います。課題が多いというのも正直なところですが、ダービーを目指したいと思っていますから、好レースをしてほしいですね」と、不安要素もあるが、素質の高さに期待をしていた。
担当の川崎調教助手は、同馬についてこう評する。「ビビリで、音にも敏感な馬ですね。普段は人懐っこいですけど。ただ、毎日乗っていても、いまだにつかめないところがあって、デビュー前も、下手したら大敗もあるかもと思っていたほどです。乗り味は良いんですけどね。ただ、距離が延びる点は全く問題ないですよ。他の有力馬の中には、2400という距離を苦にするのもいると思いますし、ここで勝てるようだと、先が楽しみですよね」。
ダービーへの夢をつなげることができるか、注目したい。
2月4日(土)の東京9R春菜賞(芝1400m)に出走するメイブリーズも楽しみな一頭。
「フェアリーS(10着)は、4番手くらいtで、4コーナーまでいい感じで進んでいて、直線に向いても手応えが良かったから、これは勝てるかもと思ったのですが、結果的に勝ち馬(トーセンベニザクラ)の通った場所が一番良くて、内の馬はみんな前がふさがってしまいましたからね。ただ勝ち馬からは、差のない競馬(0.3秒差)でしたし、不完全燃焼ですね。ゴチャゴチャしない方がいい馬ですし、切れるというよりも、長くいい脚を使えるタイプなので、広くて直線の長い東京コースに替わるのは良いと思います。能力も高い馬だと思いますしね」(鈴木伸尋調教師)。
同じく土曜日の東京3Rの3歳未勝利戦(ダ1600m)に出走するセイウンブラボーも、東京替わりがプラスに働きそうだ。
「デビュー戦が3着で、2戦目の前走(7着)は期待していたのですがは、前の馬がフラフラしていたこともあって、詰ったりして動くところがなかったと乗り役が言っていました。大型馬で広いコースの方がいいでしょうし、今回は決めたいですね」(鈴木伸尋調教師)。左回りを得意にしていた近親のユビキタスのように、豪快な走りを期待したいところだ。(取材:佐々木祥恵)