武豊を背に栗東CWで好調ぶりをアピールしたウインバリアシオン
常にオルフェーヴルの陰に隠れていたウインバリアシオンが、5度目の対決を前に迫力満点のデモンストレーション。雪辱へ向けての“気迫”がひしひしと伝わってきた。
朝一番の栗東CW。モータウンサウンド(4歳500万下)を2馬身ほど追走し、しまい重点に脚を伸ばした。いつでもはじけられる手応えで4角を回り、ゴーサインにもスムーズに加速。ステッキは入らず、ハンドライドのみだったが、力強いフットワークで一瞬のうちに僚馬をちぎり捨てた。6F84秒3-39秒7-12秒7。決戦を前に、ケチのつけようがない仕上がりに持ってきた。
僚馬に1秒5の大差をつける豪快デモ。手綱越しに伝わった好感触に、武豊の声も弾む。「先週も“いいな”と思っていたけど、けさの動きも良かった。こちらが合図を送るとすぐに反応するし、乗りやすいからね」。1週前追い切りとの比較でも「馬の雰囲気は良くなっている。それに3200mを考えると、ちょうどいい感じのテンションじゃないかな」。重賞初制覇を果たした青葉賞と同じ時季。気温の上昇とともに、心身両面で研ぎ澄まされてきた。
前走の日経賞では猛追及ばず2着。ただ、初コンビで名手は能力の高さを見抜いた。「特殊な馬場状態だったが、最後までしっかりと伸びた。負けはしたけど“さすがにいい馬だな”と思った。すごく素直。どちらかと言えば、ゴーサインが出るまで待っている感じの馬。相手や流れに合わせてレースができるタイプだね」。折り合いが鍵を握る長丁場。“操縦性”は大きな武器となる。
「簡単に負かせるとは思っていないが、競馬は何が起こるか分からない。この馬の全てを発揮して、いい結果が出ないかなと思っている」。雪辱へ機は熟した。
提供:デイリースポーツ