美浦坂路に入った
ミッドサマーフェアは馬なりのままグイグイ加速して、4F48秒8-35秒7-12秒5。この日の一番時計をあっさり記録した。
「あまり速くならないようにという指示だったが、きょうの坂は止まらない。しまいはセーブしたが、しなかったら大変だったよ」。驚がくのタイムに、小島太師は思わず苦笑いを浮かべた。
昨年10月のデビューから使い詰め。並の馬なら樫の出走権を獲得した時点でガス欠となるが、この馬に常識は通用しない。「今の時期の若い牝馬は体がさみしく映るものだが、この馬はパンパン。前走よりも迫力がある」と、使うたびに成長を遂げている。「桜花賞の1、2着馬は強い。でもヤツらとは対戦していないからね。オレの馬も底が知れねえよ」。使い減りのしないタフな乙女が、牝馬の勢力図を覆す。
ダイワデッセーは栗東CWでの併せ馬。美浦から駆けつけた武士沢を背に軽快なフットワークを見せつけた。
ワイルドフラッパー(3歳500万下)には半馬身遅れたが「(相手は)めちゃめちゃ走る馬ですから」と松田国師は全く意に介さない。
理由はマークした6F80秒6-37秒5-13秒0にある。「普通の馬では出せない時計。特に5F(64秒7)からはすごいですね。(時計の出やすい)ポリトラックを走ったような感じ。ハロー(整地)のあとだったら、もうひとつふたつ違った(速かった)はず」。04年に
ダイワエルシエーロで樫を制している指揮官はそう言って絶賛する。武士沢も「思った以上に時計は出たが、無理をしていないので」と満足げな笑みを浮かべた。
「長く脚を使えるタイプ。折り合いにも問題はないし、前々でスタミナ勝負ができれば」と鞍上。理想は経済コースでの運行。内枠ゲットなら、無視できない一頭になりそうだ。
提供:デイリースポーツ