NHKマイルカップで2着を確保して昨年の2歳チャンピオンの面目を保った形の
アルフレード。余勢をかってダービーに駒を進めてきた。今朝は武豊騎手を鞍上に迎えて坂路に入っての調整。前を行く馬を追う形で加速し上々の伸びを見せた。
記者会見での関係者とのやりとりは以下のとおり。
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アルフレード(手塚貴久調教師)
◎今朝の調教の指示はどんなものだったのでしょう。
坂路を2本。1本目はキャンター、2本目は先行する
エチゴイチエという馬をマークする形で最後は併入というものでした。全体の時計は51秒から52秒で来てくれということで終いを伸ばして最後の1ハロンだけ動かして少し加速するというイメージで。そのとおりうまく乗ってくれたと思います。
◎動きそのものはどうだったでしょう。
ご覧の方はみんないいと思ったと思います(笑)。僕もいいなと思いました。普通キャンターからス
トライドの大きな馬なので思った以上に速い時計になってしまう馬なんですが、今日も思ったほど速くないなという最後の1ハロンだったんですが、実際に時計を見ると速いという。そうしたところで良し悪しがわかるような気がします。
◎順調に来て状態もいいということでしょうか。
今季3戦目でしたけど、状態面は一番いいと思います。
◎前回の2着はどう捉えてますか。
スプリングステークスが不甲斐ない結果だったので、間隔を十分空けてNHKマイルカップを考えていたんですけど、ある程度のデキに戻ってきたという感じはあったんで、そんな無様な競馬はしないだろうと踏んでいたんですが、枠順とか直前の雨とか運も向かなかった所もありながら、それでも2着に来たということで、実力の片鱗というか復調ぶりは見せてくれたんじゃないかと思います。
◎その後も上昇している感じでしょうか。
幸いNHKマイルカップが直前の雨で少し馬場が柔らかくなったんで、もともと堅い馬場が得意な馬なんですが、堅い馬場だとその後に反動が出たり疲れたりするんで、逆に2着で直前に雨があったというのが今回中2週で十分疲れも取れて使えるといういい方に考えています。
◎その後、変わってきたと感じている面はありますか。
馬体的にはそれほど。暖かくなって毛艶は良くなってきましたけど。精神面は前回しっかり走れたということが、自身を取り戻したのが大きいと思います。スプリングステークスの大敗からやっぱり自分も走れるんだというイメージがプラス材料として残ったので今回も自分も走れるというイメージで迎えられるんじゃないかと思います。
◎
アルフレードのいい所はどういうところでしょうか。
調子の良し悪しが調教の動きでわかってしまうというか、実際5回走って2回負けているんですが、いろんな可能性を秘めているというか。距離は1600メートルでしか勝ってないんですが、今回東京の2400メートルでそれを試してみたくなるような魅力があります。それがいい所かもしれません。
◎今回の2400メートルについてはどうでしょう。
正直やってみないとわからないところはあります。ただ1600メートルがベストとは思っていないんです。1600メートルと1800メートルしか使っていないということもあるので確かに東京の2400メートルは厳しいコースですし、一番厳しい内容のレースになると思うんですが、だたそこを避ける必要はないと考えてチャレンジしたいと思っています。
◎武豊騎手とは調教の後に話をされましたか。
今、初めて乗ってもらって「緩いなあ」と言ってましたけど、そういう馬なので、これからどんどん良くなるという、成長できる馬だと思っているので、
トップレベルの成績を残しているのは間違いないですし、最高のパートナーを迎えられたと思ってるから、後は彼に任せてということでしょうか。
◎レースへの意気込みを聞かせてください。
意気込みというか、一生一度の晴れ舞台なので万全を期して仕上げたつもりなので、あとはレースで持てる能力を出してくれればいいと思っています。
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アルフレード(武豊騎手)
◎今日の感触はどうだったでしょうか。
さすがにいい馬だと思いました。いい動きでしたし。
◎どのへんで感じましたか。
乗り味というか、いい感触、走る馬独特のいい走りをしますね。
◎ちょっとひっかかるような所があるようですが。
追い切りでも前半ひっかかりそうになりましたが、途中からある程度
スピードに乗るといい感じでいいフォームで走ってくれましたし、そんなに凄く心配することはないのかなと思いました。ただ、これまで短い距離を走ってきて速いペースのレースをしてきているので一番注意するのは折り合いだとは思いますけど。
◎レース運びにイメージはありますか。
今日調教に乗って今日感じたこともありますし、今までのレースで思うこともありますし、これからじっくり考えたいと思います。
◎この馬の印象に残っているレースはどんなレースですか。
やはり朝日杯ですね。印象というと凄く大人びたレースをしているのでレースでは乗り易いのかと思ってましたけど、今日調教で乗ってイメージと違ったのはヤンチャというか凄く元気のいい馬で、そのへんはイメージと違いました。
◎速い時計の出ている馬場ですが。
当然速いタイムの決着は頭に入れて各ジョッキーが乗ってくると思いますが。
◎
アルフレードで何とかという気持ちだと思いますが。
この世代の2歳チャンピオンですから。この馬に乗れるのは光栄なことですし、当初、今年はダービーの騎乗馬はいないかと思っていたところにこれだけの馬に騎乗できることになったんで、やはり期待に応えたいというか、モノにしたいと思ってます。
◎武さんにとって日本ダービーはどんなレースでしょう。
子供の頃からの憧れですから、何度勝っても勝ちたいレースです。悔いのないように乗りたいと思っています。
(取材:佐藤泉)
提供:ラジオNIKKEI