狙うは1着のみだ。5連勝でGIに初挑戦した高松宮記念は3着に敗れたロードカナロアだが、確固たる思いで函館のスピード王決定戦に挑んできた。「今回は結果を求めたい。1着はもちろんのこと、秋以降が楽しみになるような内容を期待したい」と安田翔助手が力強く語った。函館ダートを単走で、5F66秒3-37秒6-12秒1の好タイムを記録した。「コース追いだと右に張るところがあり、今回もその癖は見せたが想定内。息の入りは良く、状態はいい」と及第点を与えた。3か月の休み明けになるが、「今後のことを考えると、休み明けを理由にできない馬」とキッパリ言い放った。
初めての滞在競馬とあって、調整には細心の注意を払った。気持ちの切り替えがスムーズにできないタイプ。レース当日で気持ちがオンになるように、いつもなら1週前に負荷をかけるところを、今回は直前にハードな仕上げを施した。「競馬モードに入るのが遅いかなと思ったが、先週併せ馬をやってから闘争心が出てきた」。本番へ向けて心身ともに上昇してきたようだ。
「昨年は厩舎の先輩が函館からGIまで上り詰めた。カナロアもそうなってほしい」。函館SSを制し、その秋にスプリンターズSを勝ったカレンチャンを例に出し、2年連続のサクセスストーリーをもくろむ。目指すはスプリント界の頂点。ここは負けられない戦いになる。
北海道シリーズ初参戦となるエーシンリジルは、函館Wで5F66秒8-38秒7-12秒6を記録した。村本助手は「滞在は初めてになるが、カイバは食べているし、きょうの動きも良かった」と環境の変化に動じていないことを強調した。重賞初制覇がかかる。「昨年の北九州記念と同じぐらいの出来にあるし、いいところを見せてほしい」と期待した。
提供:デイリースポーツ