来週のセントウルSに出走予定のカレンチャン(撮影:井内利彰)
夏競馬が今週で終了。来週からは中山、阪神が開幕し、いよいよ秋競馬がスタートする。そのトップバッター的な重賞がスプリンターズSの前哨戦となるセントウルS。そして中山ではマイルCSを狙う馬たちが集う京成杯AHが行われる。
その両重賞で有力馬として注目を集めそうなカレンチャン、ロードカナロアを管理する安田隆行調教師、コスモセンサーを管理する西園正都調教師に中間の状態などをうかがってみた。
【セントウルS/カレンチャン・安田隆行調教師】
――7月25日にグリーンウッドから栗東へ帰厩していますが、当時の様子はいかがでしたか?
今までの休養明けで一番いい状態で帰ってきましたね。すごくふっくらして帰ってきて、当時は520キロの馬体重でした。春の休養明け(オーシャンS前)は香港遠征のダメージが残っていて、あまりいい状態ではなかったので、それに比べると雲泥の差ですね。
――セントウルSまで1か月半近くある時期の帰厩について、なにか意図があったんでしょうか?
レースから1か月しかないと、調整期間が短くなるということで、少し早目の帰厩になりました。あくまで目標はスプリンターズSですが、そこへ万全に持っていくためには、セントウルSである程度動ける状態に仕上げておきたいと思ったので、7月の帰厩になりました。
――この中間は坂路でのキャンターの前にCWを半周するなど、これまでと違った調教メニューも取り入れているようです?
いつもと違うことにも、まったく動じるようなタイプではないので、いろんなことをやっています。落ち着きすぎるくらいにどっしりしていて、鞍上の指示にも従順な馬です。古馬になってから、さらに学習能力が高くなっていますね。本当にこちらが思うように調整できています。
【セントウルS/ロードカナロア・安田隆行調教師】
――前走函館スプリントSは2着でしたが、振り返っていただいて、いかがですか?
内枠を引いた時点で嫌な予感はしていたんですが、結果的にはその予感が当たってしまいましたね。動けずじまいで、力を出し切れないレースになってしまいました。
――前走後にキーンランドCは視野になかったんでしょうか?
まったくありません。当初の予定通り、函館SSを使った後はセントウルSからスプリンターズSというローテーションを変更するつもりはありませんでした。力を出し切れなかったとはいえ、レースに使っていることには変わりありませんし、そこで無理すると大目標のスプリンターズSで100%の力を発揮できなくなってしまいますから。
――阪神競馬場は初めてになりますが、そのあたりはいかがでしょう?
まったく気にしていません。むしろ、他馬が坂で止まるような展開になれば、この馬は力強く駆け上がってくれるんじゃないでしょうか。同じ直線に坂のある中山競馬場ではジュニアCで2着でしたが、あれは距離が1600m。1200mの急坂なら問題ありません。
【京成杯AH/コスモセンサー・西園正都調教師】
――前走安田記念3着後はどのように調整されたのでしょうか?
北海道のコスモビューFへ放牧へ出てリフレッシュ休養。その後はビッグレッドF鉾田を経由して、栗東へ帰厩しました。少し馬体が細くなって帰ってきたので、体を戻しながら調整を進めています。
――今週の追い切り(29日)は坂路4F54.6〜3F38.8〜2F25.1〜1F12.9秒でした。
速い時計ではありませんが、しっかりと調教することができましたし、これで来週追い切れば、きちんと仕上がると思います。
――昨年の京成杯AHは8着でしたが、中山競馬場は4戦2勝。得意としている舞台ですよね。
同じ放牧明けになりますが、状態は昨年と違いますよ。今年のニューイヤーSでも強い競馬ができましたし、中山芝1600mには自信を持っています。今年は3着以下がないように、どんなメンバーでも力を発揮できるようになりました。今秋の最大目標はマイルCSなので、ここは前哨戦になりますが、しっかりと結果を出したいですね。(取材:井内利彰)