3日夜に降った雨の影響を受けることもなく、5日、6日の追い切りはウッドチップ馬場も乾いた状態。ただ先週に続いて、乗り手からは馬場の悪化していると聞くことがしばしば。それを基に追い切り時計を見ていくと、馬場が原因と思える時計もあるが、個人的には「調教開始時の明るさ」が大きく影響しているように思う。
5日の滋賀県大津市の日の出は5時32分。実際、調教馬場が明るくなり始めるのは5時20分くらいだが、開門直後の5時前は照明があっても非常に暗い。暗いと「
スピードが出ているように感じる」のが乗り手の心理のようで、CWでの追い切りを見ているこちらもストップウオッチの数字以上に速く思う。それが前半ゆったり入る要因となり、結果として6F(5F)時計が遅くなる要因ではないだろうか。
【坂路/4F51.9秒】
冒頭に記したのはCWの話なので、坂路は比較的照明で見えやすい状態。そんなこともあってか、特に時計が遅くなっている印象はない。ちなみに5日の一番時計は
スズカセクレターボの4F50.9秒。ラスト1Fも12.8秒で駆け上がっており、馬場が極端に悪いということはないだろう。ただ4F51秒台が20頭いない点から、先週よりは少し時計が掛かっていると判断してもいいかも知れない。
全体の時計は遅いが、後半2Fの時計が速いという馬が多いのも特徴的で、
セントウルSに出走予定の
サドンストーム(栗東・西浦勝一厩舎)もそんな1頭。普段から頭の位置が低いフォームで走るが、最終追い切りも最後まで前向きな走り。後半の2F24.2〜1F12.2秒はさすがの伸びだった。
6日の追い切りで目立った動きは
ニザエモン(栗東・佐々木晶三厩舎)。レースでも騎乗予定の中井裕二騎手が跨っての追い切りだったが、先行する同厩
アルマリンピアをあっさり捕まえるとあとは突き放す一方。坂路4F52.9〜3F37.6〜2F24.2〜1F11.9秒とオープン級の時計をマーク。休養明けの前走より明らかに良化、今週のレースはあっさりと決めてくれるだろう。
冒頭にも記したが先週より少しだけ掛かっている印象を重視して、今週の馬場差は『+0.1秒』で観測している。
【CW/5F66.5秒】
冒頭にも記したように、決して時計が出にくい馬場というわけではない。ただ各乗り手が口にしているように、ウッドチップ自体が少し悪くなっているようなので、力のいる馬場なのかも知れない。
そのあたりを考慮して、今週は先週より時計が掛かった『-0.5秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒】
追い切り頭数が40頭に満たないので、速い時計を出しているのも僅か。全体的な評価しては、4F50秒を切っても、ラスト1Fは11秒台、ごく標準的なポリトラック馬場だと判断してよい。
多少速い時計を出した馬が目についたので、先々週の-0.5秒という馬場差に戻すことも検討したが、全体的に見ると、今の状態でごく標準だと考えた方がよいと判断し、先週と同じ『0.0秒』で観測した。(取材:井内利彰)
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。