坂下から一気に後続を突き放し、菊花賞へ好発進のゴールドシップ=阪神競馬場
菊花賞TR「第60回神戸新聞杯・GII」(芝2400m)は23日、阪神11Rに15頭で争われ、後方を追走した1番人気の皐月賞馬
ゴールドシップが、直線半ばで先頭に立つと、後続の追撃を尻目に悠々ゴール。秋初戦を快勝した。勝ちタイムは2分25秒2。2着には2馬身半差で8番人気の
ロードアクレイム、さらに1馬身3/4差の3着には2番人気の
マウントシャスタが入った。この上位3頭には菊花賞(10月21日・京都)への優先出走権が与えられる。
その顔は安堵(あんど)感に満ちていた。勝利騎手インタビューに現れた内田博は、まず「フーッ」と大きく息をついて勝利の余韻に浸った。「自分のなかでは負けられない気持ちがあった。GIを獲っている馬だし、このレースで力を見せないといけないと思っていた。いい
ステップで勝てたのは大きい」。皐月賞馬としての
プライド、1番人気の重圧。その全てを力に変えたメンバー唯一のGI馬が、秋初戦を最高の形で飾った。
貫禄の勝利にも、須貝師は「いつになく緊張した。皐月賞馬の意地も見せないといけないし、ダービー2着馬も(先週のセントライト記念で)勝っていましたからね」と胸をなで下ろした。しかも3日間開催後の変則日程で、調整の難しさもあった。前日調整を普段の栗東坂路からCWに変えるなど「悩んで試行錯誤した」。愛馬がそれに最高の形で応えた。「内田騎手もこの馬のことを分かってくれている。強い競馬をしてくれた。これで胸を張って本番に行けます」と力を込めた。
鞍上もクラシック最終戦に向けて「チャンスがある。と言うか、勝つところにいる馬だと思う。もうひとつタイトルを獲らせてあげたい」と、キッパリと2冠奪取を宣言。V発進で勢いに乗る“黄金の舟”が、2つ目の金メダルを目指して高らかに帆を上げた。
提供:デイリースポーツ