激しいたたき合いを制して2歳女王に輝いたローブティサージュ(中央)=阪神競馬場
「第64回阪神JF・GI」(芝1600m)は9日、阪神11Rに18頭で争われ、中団の前めを追走した5番人気のローブティサージュが、直線で先頭に立った15番人気のクロフネサプライズ(2着)の外から強襲。鮮やかに首差捕らえて、1分34秒2のタイムで2歳女王に輝いた。さらに首差の3着には10番人気のレッドセシリアが入り、3連単は300万超えの大波乱となった。なお、1番人気のコレクターアイテムは直線で外に持ち出して差を詰めたが、4着に敗れた。
秋山は「ホッとしました。前走の内容や中間の具合も良かったので、自信を持っていきました」と白い歯をこぼす。
素質にほれ込んでいた。新馬戦、ファンタジーSと手綱を取り、高い能力を確信。今回も指揮官に直談判して得た背中だった。「普段は気が強いが、競馬では堂々としている。力を出すところが分かっている馬ですね」。自身は朝日CCをショウリュウムーンで快勝。勢いをつけて挑んだ舞台で、土日重賞ジャックを鮮やかに決めてみせた。
厩舎の勢いも見逃せない。皐月賞、菊花賞に続いて、今年3度目のGIタイトル獲得だ。「秋山とGIを獲れたのがうれしい。ジョッキー時代から仲良くさせてもらっていたから」と須貝師は目尻を下げた。有馬記念(23日・中山)には、2冠馬ゴールドシップがスタンバイ。「全力投球したい」と暮れの決戦を見据えて口元を引き締める。
近日中にも放牧に出される予定で、来春は桜花賞(4月7日・阪神)が最初の大きな目標になりそうだ。「ほかの馬もさらに強くなる。受けて立つというより挑戦する気持ちで」と秋山はねじり鉢巻き。寒風の吹く仁川でひときわ輝いた女王は、静かに満開の桜が咲き誇る季節を待つ。
提供:デイリースポーツ