今週のピックアップステーブルは大久保龍志厩舎。今週は東西で行われる重賞、東京新聞杯にスマートシルエット、きさらぎ賞にマズルファイヤーが出走予定。そして来週の好メンバー集まる京都記念には、ベールドインパクトが出走予定と目が離せない厩舎だけに、各馬について、大久保龍志調教師にお話しを伺いました。(取材・写真：井内利彰)

2月3日(日)京都11R　きさらぎ賞に出走予定の【マズルファイヤー】について

―まずはきさらぎ賞と同じ京都芝1800mで行われた前走の3歳未勝利戦を振り返っていただけますか？

　デビューから4戦目のレースだったんですが、3走前や前々走は少しソエを気にするようなところがあったんですよ。それでも堅実に上位には来てくれるので、そのまま押せ押せで使っていました。でも、やっぱり遠慮しながら走っているようなところがあったので、しっかりソエが治まるのを待ったのが前走でした。痛いところがなくなって、スタートも普通に出て、行き脚のついて前で押し切る競馬ができましたね。

―まだ500万下のクラスですが、重賞のきさらぎ賞へ挑戦した決め手はあるんでしょうか？

　当初は中2週で自己条件のつばき賞というレースも検討していたんですが、前走のダメージも軽く、また、オーナーサイドの意向もあったので、馬の様子を見て、ここへ出走することを決めました。

―今週の追い切りは、坂路でウインプリメーラとの併せ馬でした。

　時計は4F53.1秒と速くなりましたが、無理して出した時計ではなく、馬が自ら走る気を出して、マークしたもの。終いも12.2秒と伸びていますから、それだけ状態が良いということなんでしょうね。

―今回のレース展開に関しては、どのようなイメージをされているんでしょうか？

　今回もスタートが決まるという確証はありませんが、行く馬がいないような展開になれば、この馬が行ってもいいと思っています。自分のペースで行って、最後まで頑張ってくれれば、いい結果がついてくると思います。

2月3日(日)東京11R　東京新聞杯に出走予定の【スマートシルエット】について

―まずは東京新聞杯参戦への意図を教えていただけますか？

　中山牝馬Sを目標にした時に、その前に一戦なら、と考えた時に小倉大賞典なども視野に入ったんですが、レース間隔が詰まってしまうことや、騎乗できるジョッキーのことなどもあって、東京新聞杯を使うことになりました。またジョッキーも府中牝馬Sで2着だった蛯名正義騎手に乗ってもらえますしね。

―最終追い切りは久しぶりにCWコースでした。

　前走エリザベス女王杯で大敗したこともあるので、少しパターンを変える意味でもCWコースで追い切りました。もう6歳ということで、自分で体を造るタイプなので、間隔があいていることは問題ないと思います。年齢的にも大きな上積みはないと思いますが、実績のある東京競馬場(1-1-2-0)ですし、楽しみにしています。

2月10日(日)京都11R　京都記念に出走予定の【ベールドインパクト】について

―前走は中山芝1800mで行われたディセンバーSで1着。その振り返りからお願いします。

　1800mという距離が気になっていただけに、不安な点もありましたが、ミルコ(デムーロ騎手)が上手く乗ってくれましたね。レースが終わってからジョッキーも『2000mか2200mくらいがいい』と話していただけに、やっぱり1800mは距離が短いと思います。

―前走後はグリーンWの放牧に出されています。1月5日に栗東へ帰厩して、この中間の調教量が豊富だという印象があります。

　どの厩舎でも一緒だと思いますが、身体能力の高い馬になると、15-15程度の時計が普通キャンターになります。それが毎日のように続くと、15-15の本数が増えるので、本数が多いということになるんでしょうね。

―31日にCWコースで行われた1週前追い切りには小牧太騎手が騎乗しましたね。

　初騎乗にもなるので、感触を確かめてもらいました。3頭併せの最後方でしたが、折り合って追走して、終いの反応も良く、動きも良かったですね。ジョッキーは『抜け出して気を抜くところがありますね』と、この馬の癖も掴んでくれたので、追い切りに乗ってもらって良かったと思います。あまりジョッキーが跨って追い切ると気合が乗りすぎるところがあるので、来週は調教助手で追い切ることになりますが、思い描いている感じでレースに向かうことができそうです。