力の違いを見せつけるように直線ではじけたキズナ(中央)=阪神競馬場
「第60回毎日杯・GIII」(芝1800m)は23日、阪神11Rに13頭で争われ、武豊騎乗の1番人気
キズナ(栗東・佐々木)が格の違いを見せつけて圧勝。クラシックへ向けて改めて存在感を示すとともに、価値ある重賞初制覇を飾った。戦前の予想に反して先行激化の形になり、前半5F通過が58秒5。ハイペースの流れを後方でじっくりと構えて直線で外に持ち出されると、1頭だけ違う脚勢で突き抜けた。勝ちタイムは1分46秒2。好位からいったんは抜け出した6番人気の
ガイヤースヴェルトが3馬身差の2着。さらに3馬身半差の3着は3番人気の
バッドボーイ。期待を集めたデビュー2戦目の
コメットシーカー(2番人気)は5着に敗れた。
「いい競馬ができました。一戦ごとに良くなっている」と武豊は淡々とした口調で、先を見据えた。皐月賞(4月14日・中山、芝2000m)の東上最終便。例年そう呼ばれる毎日杯だが、
キズナにとってこの賞金加算は、あくまで5月末の府中への切符だ。皐月賞はパスして、京都新聞杯(5月4日・京都、芝2200m)からダービー(5月26日・東京、芝2400m)へ向かう。
「中2週続きではダービーも皐月賞もみんななくしてしまう。全てはダービーのため」と佐々木師は説明。弥生賞で5着に敗れた時点で、ダービーのためのローテをオーナーサイドに提示し、快諾を得ていたという。
世代の頂点を極めるため、今後は厩舎で調整して再び態勢を整える。「ダービーに476〜8キロくらいで行けたらいい。皐月賞は高みの見物をしてますよ」と指揮官は終始笑顔。この選択を必ずや英断にする。そんな自信に満ちあふれていた。
提供:デイリースポーツ