420キロ前後の小柄な牝馬でも、大物感はたっぷりだ。フィリーズレビューで先行策からしぶとく粘って2着を確保。桜花賞に駒を進めた関東馬ナンシーシャインが、滞在先の栗東トレセンでグングンと調子を上げている。川又助手は「精神的に強く、もともと3歳牝馬らしくないところがあるが、こちらに来てからバリバリやれていい兆候。前走の疲れもなく、楽しみです」と順調ぶりをアピールする。
昨年9月のデビューから7戦を消化。馬場、距離、展開を問わず常に掲示板に名を連ねてきた。2走前の春菜賞で待望の2勝目を挙げると、勢いそのままに強敵相手のトライアルに挑戦して、桜の切符を手にした。「正直、引っ掛かると思ったが、これなら桜花賞に行っても大丈夫だと思った。あの競馬ができれば力差はない」と本番へ手応えをつかんだ口ぶりだ。
3月27日の1週前追い切りは、栗東坂路でカツトシクン(3歳未勝利)と併せ馬。追走からビッシリ追われると、楽々かわしてフィニッシュ。4F53秒6-39秒4-13秒4をマークした。小柄でも容赦のない攻め馬。それだけ充実している証拠だろう。最終追い切りには主戦の大野が駆けつける予定で、万全の態勢で臨めそうだ。
週末の雨予報にも「できればパンパンの良馬場がいいが、重もこなせないことはない。力もつけているから」と川又助手。安定感こそが最大の武器。小柄な根性娘が、桜の舞台で輝きを放つ。
提供:デイリースポーツ