馬場の真ん中から突き抜けるグランプリボス=京都競馬場
「第44回マイラーズC・GII」(芝1600m)は21日、京都11Rに18頭で争われ、中団を追走した5番人気のグランプリボス(栗東・矢作)が、自慢の末脚を爆発させてV。昨年、首差の2着と涙をのんだ安田記念(6月2日・東京、芝1600m)制覇に向けて好発進を切った。勝ちタイムは1分32秒6。半馬身差の2着は8番人気のサンレイレーザー、さらに頭差の3着には3番人気のダノンシャークが入った。なお、1番人気のカレンブラックヒルは4着、2番人気のクラレントは8着に敗れ、3連単は13万7990円と波乱の決着に終わった。
これぞGI・2勝馬の末脚。グランプリボスが、寒風吹きすさぶ淀で完勝劇を披露した。テン乗りの浜中は「外枠だったので、外に回されないように気をつけた」と振り返る。主戦の内田博がフローラSでデニムアンドルビーに騎乗するため、今回は代打騎乗。そつなく仕事をこなした昨年のリーディングジョッキーは「最後は底力がモノをいった。本番に向けて、いい形でステップを踏めたと思う」と安どの表情をのぞかせた。
昨年末の香港マイルは12着と惨敗したが、帰国後は馬体の立て直しに専念。3か月の休み明けとなった今年初戦を制し、矢作師も満足げな笑みをこぼした。「100ではないが、いい仕上がりをしていたしね。期待どおり」。これまで鉄砲実績がなかったが、見事に克服してみせた。12年は安田記念、マイルCSともに2着。「肝心なところで取りこぼしていたが、今年は全部勝つぐらいのつもりで」と意気盛んだ。
次なる目標は安田記念。「京王杯SC(5月11日・東京)を挟むかどうかは、1週間様子を見てから。安田記念をどうやったら勝てるか、それだけを考えていきたい」と指揮官。勢いを取り戻した5歳馬が、意気揚々と東上を果たす。
提供:デイリースポーツ