悲願のGI初Vへ―。準備は整った。ヴィルシーナは決戦前日の正午過ぎに東京競馬場に到着。堂々とした姿で馬運車から降り立った。「東京はオークス以来だけど、輸送も問題のない馬。変わらず落ち着いている」。長旅を難なく終え、田代助手はホッとした表情を浮かべた。
今年の始動戦に選んだ前走の大阪杯は6着に敗れた。「負けたけど、牡馬相手にそれなりの競馬。悲観はしていない。1回使って良くなっている」。もともとが使って良くなるタイプだ。
昨年は桜花賞、オークス、秋華賞、エリザベス女王杯と参戦したGI4戦全て2着に敗れた。ただ、無冠に終わったとはいえ、3冠牝馬ジェンティルドンナを最後まで苦しめた秋華賞を筆頭に、牝馬戦線でトップレベルの実力を示した。
GI出走機会4連続2着はメイショウドトウ(5連続)に続くものだが、そのドトウは勝利(01年宝塚記念)で記録に終止符を打った。「昨年は残念な競馬が続いたけど、何とか勝ちたい」。今度こそ、タイトル奪取を成し遂げ“シルバーコレクター”の名を返上する。
提供:デイリースポーツ