キーンランドC・新潟2歳S・エルムS、重賞レース展望・見どころ

2013年08月19日 15:06

高いレベルで安定しているフォーエバーマーク(写真は2012年UHB賞)

 今週末、中央競馬の重賞レースは、8月24日(土)に北海道シリーズ恒例のダート戦・エルムS、翌25日(日)には函館でサマースプリントシリーズの第5弾・キーンランドC、同日の新潟では好素材の若駒が挙って登場予定の新潟2歳Sの3競走が行われる。各レースに出走を予定している、主な有力馬は以下の通り。

■8/25(日) キーンランドC(3歳上・GIII・函館芝1200m)
 フォーエバーマーク(牝5、美浦・矢野英一厩舎)は、函館SSで逃げて3着。前走・アイビスSDでは勝ち馬にこそ離されたが、3着以下には3.1/2馬身離して2着に入った。近況は高いレベルで安定しており、今回も上位争いが期待される。

 アドマイヤセプター(牝5、栗東・橋田満厩舎)は、結果的に先行馬有利の流れになった函館SSでは、大外枠で道中も大外をブン回す形になりながら、勝ち負け争いまであと一歩という4着。今年に入っての3走では、いずれも2桁着順の惨敗が続いただけに洋芝巧者を改めてアピールし、函館2度目で上位進出を窺う。

 ストレイトガール(牝4、栗東・藤原英昭厩舎)は、全6勝中全てが北海道開催の芝1200mで、そのうち5勝が当地でのものと抜群のコース相性を誇る。今年は休養明けの函館開幕週の500万で2着とすると、その後は500万、1000万、1600万、そして前走のOP特別・UHB賞でも差し切り勝ちを収め、赤マル急上昇中の4連勝。重賞初挑戦でも、全く侮れない存在か。

 サンカルロ(牡7、美浦・大久保洋吉厩舎)は、2011年・12年の阪神Cの連覇や高松宮記念での連続2着など、メンバー中の実績は断然のナンバーワン。今回は59キロと初の函館コースの克服が課題になるが、得意とする時計の掛かる舞台なら地力を発揮したい。

 パドトロワ(牡6、栗東・鮫島一歩厩舎)は、昨年の覇者にして今年は函館SSを58キロで制した洋芝巧者。連覇を狙ったアイビスSDでは10着に敗れたが、57キロで斤量面の負担が楽になって迎えるここは、持ち前の先行策を武器に再浮上を窺う。

 その他、2011年函館2歳S勝ちを含めて当地1200mは5戦4勝2着1回のコース巧者ファインチョイス(牝4、栗東・領家政蔵厩舎)や、昨年の函館2歳の勝ち馬ストークアンドレイ(牝3、栗東・山内研二厩舎)など、洋芝適性の高い面々が一堂に集結するサマースプリントシリーズの第5弾。発走は15時25分。

■8/25(日) 新潟2歳S(2歳・GIII・新潟芝1600m)
 マイネグラティア(牝、美浦・鹿戸雄一厩舎)は、6月23日の東京芝1600mを大外一気の末脚で快勝。前走・ダリア賞(新潟芝1400m)では、内回りへの対応にも若干苦慮して後方追走となったが、外に持ち出されると鋭く伸びて2着を確保した。距離・直線ともに長くなる、2歳Sの舞台で有力視される。

 マキャヴィティ(牡、美浦・萩原清厩舎)は、ダリア賞を2番手追走から抜け出し2勝目を挙げた。ゴール前で後方勢が殺到していたように、決して楽ではない流れを押し切っただけに、フロック視は禁物か。流れに乗れる器用さを武器に、好勝負へと持ち込みたい。

 ハープスター(牝、栗東・松田博資厩舎)は、7月14日の中京芝1400mの新馬を1分24秒5で快勝。レース序盤から走りに集中できていないような仕草を再三覗かせたが、直線に向くと荒れた内側から一気に伸びて差し切った。祖母に1993年桜花賞、オークスを制したベガがいる良血のディープインパクト産駒だけに、新潟の長い直線でさらなるスケールアップが期待される。

 ピークトラム(牡、栗東・橋口弘次郎厩舎)は、7月14日の中京芝1600mの未勝利戦を1分35秒8の2歳レコード更新V。レースではスタートを五分に出ると、先行集団の直後につけて直線で楽に抜け出した。キャリア3戦の中で身につけた、好センスな走りをここでも披露できるか。

 イスラボニータ(牡、美浦・栗田博憲厩舎)は、6月2日の東京芝1600mの新馬を1分37秒9で1着。スタートは後手を踏んだが、レース序盤には早くも息を整えながらうまく追走し、3〜4コーナーで外を回って早々と先頭へ。直線では、手応えで通りに余裕を持って抜け出した。ここもゲートは課題になるが、大人びた走りを見せた初戦の内容からも注目が集まる。

 その他、東京芝1600m(2着)・福島芝1800mでそれぞれいい差し脚を見せているウインフェニックス(牡、美浦・奥平雅士厩舎)や、開幕週の芝1600mでマイル適性を示したダウトレス(牡、美浦・小島太厩舎)など、各々の臨戦過程で光るものがあった若駒たちが、659mの日本一長い直線に挑む注目の2歳マイル重賞。発走は15時45分。

■8/24(土) エルムS(3歳上・GIII・函館ダ1700m)
 ブライトライン(牡4、栗東・鮫島一歩厩舎)は、昨春のファルコンSを制するなど、若駒時代から芝で活躍していたが、今年4月からダートへ転向。初ダートの京葉S(OP・中山ダ1200m)で僅差3着と適性を示すと、東京1400mの準OPを快勝し、前走・マリーンSでは1分43秒4の好タイムで圧勝した。安定した先行脚質を含め、同コースの重賞なら主役候補か。

 グランドシチー(牡6、美浦・相沢郁厩舎)は、3月のマーチSを一気の末脚で制して重賞初制覇。近2走、盛岡と門別の中距離交流重賞では3・4着と煮え切らないが、エルムSでの3着・大沼Sでの2着など水準以上の結果を残している北海道の1700mで再浮上を窺う。

 エーシンモアオバー(牡7、栗東・沖芳夫厩舎)は、4か月ぶりの実戦・盛岡のマーキュリーCで逃げて4着。その前には、昨年暮れの名古屋グランプリ(ダ2500m)制覇を含め、10月の白山大賞典(金沢2100m)から地方交流重賞回りを続け、5戦連続3着以内とした。毎年北海道シリーズ1700mでの狙い撃ちも有名で、2010年・12年のマリーンS制覇など実績豊富な函館1700mで本領発揮が期待される。

 ダノンゴールド(牡4、美浦・藤沢和雄厩舎)は、函館ダート1700mで2戦2勝。前走は函館を使ってからの小倉への長距離輸送、昇級戦ながら1700mを1分43秒2で押し切った。重賞は昨夏のレパードS以来も、当時は強豪馬相手に4着と善戦しており、コース相性と勢いに乗って好走を狙う。

 その他、函館2戦目で2着と上昇を見せたナリタシルクロード(牡6、栗東・崎山博樹厩舎)や、昨年のヒヤシンスSを制した好素材が復調ムードのフリートストリート(牡4、栗東・角居勝彦厩舎)など、ダート中距離界の安定勢力と新興勢力が函館でぶつかり合う北海道シリーズの恒例重賞。発走は土曜の15時25分。

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