エクスペディションとの激しい先頭争いを繰り広げるコスモネモシン(左)=新潟競馬場
サマー2000シリーズ最終戦「第49回新潟記念・GIII」(芝2000m)は1日、新潟11Rに14頭で争われ、10番人気の伏兵コスモネモシンが10年フェアリーS以来となる3年7カ月ぶりの勝利を挙げた。前半から馬群がひと固まりになるスローペースのなか、道中は中団で折り合いを気にしながらの追走。直線でゴーサインが出ると一歩ずつ確実に伸びて、8番人気のエクスペディション(2着)とのたたき合いを首差制した。勝ちタイムは1分58秒9。さらに、1馬身差の3着には7番人気のファタモルガーナが入り3連単は55万馬券に。なお、1番人気のニューダイナスティは直線伸びを欠いて5着に敗れた。
11年ヴィクトリアマイル(11着)以来のコンビとなった松岡は「筋肉が柔らかく、いい意味で変わっていなかった。気性的に難しいので、折り合いだけに気をつけた」と笑顔で語った。雨こそ上がっていたものの、昼過ぎからの激しい降雨で力を要する舞台だったことにも「こういう馬場は得意だからね」と振り返った。
思い返せば初重賞Vを決めたフェアリーSも11番人気でのV。普段の調教時で馬場入りを嫌がるなど気難しさの残る熟女だけに、清水英師も週初めは控えめだった。「今回は調教の場所を坂路に変えたのが良かったのか、追い切りがスムーズにできたし、助手がうまくコミュニケーションをとってやってくれた」とうなずき、「感謝、感謝だよ。雨が降ってきたのを見て、やれそうな予感がしていたんだ。きょうは全てがうまくいった」と目を細めた。
今後は未定だが「もうひと花咲かせてやりたい」とトレーナー。一方の松岡は「いい流れで秋競馬につながるね。きょうはオレの“天才騎乗”…ってこういうことを言うから駄目なんだね」とおどけてみせた。勢いを取り戻した人馬が、秋の重賞戦線でも存在感を示す。
提供:デイリースポーツ