蛯名を背に美浦Wで感触を確かめたヒラボクディープ(左)
メンバー中、唯一のダービー出走馬
ヒラボクディープが美浦Wの3頭併せで好仕上がりを披露した。3歳500万下の2頭、
アンブリッジローズ、
バーディーイーグルを前に置いてスタート。軽やかなフットワークで、リズム良く直線へ。最内に潜り込むと、鞍上は最後まで手綱を持ったまま。5F70秒7-40秒9-12秒4のタイムで併入した。「先週も3頭併せで結構やっているので、きょうは乗り役に反応を確かめてもらう程度。滑らかな走りでいい感じだった。順調にこられたね」と国枝師は安どの表情を浮かべた。
青葉賞を制して臨んだダービーでは5番人気に推されたが、精神的なもろさを露呈して13着に敗れた。国枝厩舎では、調教前に必ず角馬場の中央でしばし駐立させてからコースへ向かうのが恒例。春までは駐立がままならなかったが「だいぶ落ち着いて立っていられるようになった。気持ちは穏やかになりつつあるよ」とひと夏越しての精神面での成長を感じ取っている。
それでも始動戦に向けては慎重だ。「仕上がりとしては八分。休み明けは、休み明けだと思っているよ」と言えば、コンビを組む蛯名も「全体的には7、8割といった感じ」と口を揃える。だが、実績上位の存在だけに「格好をつけないと本番(菊花賞)で楽しみがなくなる。このぐらいの仕上がりでどんな競馬をしてくれるかだね」と主戦は思いを口にする。あくまでも本番を見据えた仕上げだが、その底力に菊の舞台を思い描く。
提供:デイリースポーツ