鋭い末脚でセントライト記念を制し菊花賞に名乗りを上げたユールシンギング(中央)。左後方は2着のダービーフィズ、手前右は3着のアドマイヤスピカ=中山競馬場
前日の台風により火曜開催となった菊花賞TR「第67回セントライト記念・GII」(芝2200m)は17日、中山11Rに15頭で争われ、中団馬群を追走した3番人気の
ユールシンギング(美浦・勢司)がゴール寸前で強襲。先に抜け出した5番人気の
ダービーフィズ(2着)を鼻差とらえ、重賞初挑戦初Vを飾った。勝ちタイムは2分13秒5。3/4馬身差の3着には6番人気の
アドマイヤスピカが入り、この上位3頭が菊花賞(10月20日・京都、芝3000m)への優先出走権を獲得。なお、1番人気に推された青葉賞馬
ヒラボクディープは4角先頭の積極策も直線でズルズルと後退し13着と惨敗した。
1日の新潟で500万下を勝ったばかり。4戦連続でコンビを組んだ北村宏は「まだ緩いけど、使うたびに競馬を覚えてくれる。きょうも苦しいところから、よく頑張ってくれました」とはホッと息をついた。09年フラワーC(
ヴィーヴァヴォドカ)以来、約4年半ぶりの重賞勝ちとなった勢司師も「間に合わないかと思ったけど、うまく外へ出して伸びてくれた」と目を細めた。
2連勝で菊花賞の権利獲りに成功。「まだ将来のある馬なので、無理はしたくない」とトレーナーは菊参戦を即決はしなかったが、「夏の間に力をつけてきたように、あの子が自ら道を切り開いた」と前向きに話した。デビューから7戦して[3-2-1-1]と、底を見せていないシンボリクリスエス産駒。皐月賞馬、ダービー馬不在で混戦が予想されるクラシックラスト1冠の“台風の目”となるか。
提供:デイリースポーツ