栗東CWの直線。M・デムーロはエイシンフラッシュの背中で息を潜め続けた。先行していたローマンレジェンド(5歳オープン)に余裕の手応えで並び掛けると、抜け出すポイントを探し、首差出たところが、フィニッシュラインだった。6F81秒6-38秒0-12秒3。鋭い動きで万全の状態をアピールした。
「反応も良かったですし、とてもいい調教ができたと思います。6歳になって、馬自身が自分で何をすべきなのか、分かっているようです」。天皇賞・秋というタイトルを、ともにつかみ取ってから1年。連覇を狙う立場となった相棒に、イタリアの名手は頼もしげな視線を投げかけた。
藤原英師も成熟してきた内面に言及。「長い間一緒にいますが、精神的にすごく落ち着いてきました。前走(毎日王冠1着)は、疲労の残らない競馬でしたから、回復も早くて調整はしやすかったです」。前年同様の上昇曲線を描いている、と力を込めた。
週末にかけて台風27号の影響を強く受ける可能性がある。陣営にとってレース当日の馬場は気になるポイントだ。送り出す指揮官は「とても懸念しています」と不安の色を隠さなかった。M・デムーロも「重馬場でも勝っているユタカさんの馬(トウケイヘイロー)が、第一のライバルになるでしょう」と警戒を強めた。
提供:デイリースポーツ