水曜日に続いて雲ひとつない朝を迎えた美浦トレーニングセンター。気持良い青空が広がり、6時半の気温は0度。調教が始まる7時前の気温はまだ1度だった。
マイルチャンピオンシップへ向かう堀厩舎の2頭は厩舎の他の馬と共に坂路コースの入り口近くにある広い運動場で体をほぐしてからの馬場入り。ダートコースを半周以上並脚で歩いてウッドチップコースに移って
サトノプライマシーと3頭での調整となった。
サトノプライマシーを先導役にムーア騎手が騎乗した
ダークシャドウ、そして
リアルインパクトの順で追走して最後の直線ではダークが外にリアルが内にコースを取って3頭が並ぶように楽な形で駆け抜けた。
調教後の会見での関係者のコメントは以下のとおり。
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ダークシャドウ(堀宣行調教師)
◎今朝の調教の動きについてお話ください。
・先週の調教で少し反応が鈍いところを感じていましたので、今週はそこを補いたいと感じていました。結果的にはいい調教ができていい状態で向かえると感じています。
◎天皇賞直前にアク
シデントがありましたが、原因と影響について教えてください。
・毎日王冠の後、状態が上がってきていました。気候も涼しくなって馬がとてもフレッシュになってきていたことが原因になったと考えています。翌日からしっかり乗ってますし、大事を取って天皇賞へは出走しませんでしたが、このレースに向かう過程では全く影響はないと感じています。
◎一昨年は毎日王冠を勝って天皇賞2着という成績でした。当時のいい状態と比較して今回は馬の形や状態はどう変わっていますか?
・その後のドバイ遠征後にスランプに入って、徐々に上向いて今回は去年よりはいい状態で使えると思います。
◎今年の安田記念ではブリンカーを着用していました。毎日王冠では外していましたが、今回はブリンカーは装着しますか?
・今回はブリンカーは着けません。今回はチークピーシーズを着けるかどうか、今日追い切った後の状態を見て決めようと思っているのですが、この馬に関しては気性的なウイークポイントがありますので、そのへんを補えればという形での馬具の選択になります。
◎ライアン・ムーア騎手にどんなリク
エストをされますか?
・一番はこの馬の良い所を出して欲しいということですが、(今回は距離が)マイルになるので適性としてはもう少し長い距離のほうが良いかと感じていますので、その辺が一番のポイントになると思っています。GIですから自分の競馬だけしてもなかなか厳しいですので、相手関係とかいろいろ・・・枠順、馬場状態などが勝負を分けると思いますが、そのへんはとても研究熱心なジョッキーなので安心しています。
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ダークシャドウ(ライアン・ムーア騎手)
◎先週の東京競馬場ではいい感じで騎乗できましたか?
・重賞では残念ながら勝つことはできませんでしたが、全体的には勝つこともできましたし落ち着いてレースはできたと思います。
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ダークシャドウの調教に騎乗されたばかりですが、感触はどうでしたか?
・とてもいい感じで動きも良く体調も良さそうで、追った反応も良かったので嬉しく思っています。
◎ベテラン6歳の馬の一番の良さはどこに感じてますか?
・ベテランの域にあるのかもしれませんが、乗った感触としては体調も良く間隔が開いてのレースにはなりますのでやってみなければわからない点もありますが、楽しみにしています。
◎過去の
ダークシャドウのレースとイメージが違った点はありますか?
・全くありません。
◎京都のコースで
ダークシャドウの良さを引き出すポイントは何でしょうか?
・大きな競馬場ですし馬場について気にしている部分はありません。簡単に言えばいい枠が取れればということでしょう。マイルチャンピオンシップは枠がどうしても重要な要素になるのでそこが重要だと思います。理想は1番から9番ぐらいまでの、皆さんが考えている通りの枠かと思います。
◎ムーア騎手はヨーロッパだけでなく北米や香港、ドバイでもGIを勝っていますが、日本でのGIは他と違う点はありますか?
・他の国では他頭数になることが少ないのですが、日本ではフルゲートになることが多いので、どの国の騎手も日本のGIに乗りたいと思っていると思います。そうした意味では日本のGIに乗れることは感謝しています。
◎今週、そして来週とGIで日本のファンを沸かせることを楽しみにしています。
・沸かせることができるかはわかりませんが、やれることだけはやっていきたいと思っています。
◎京都競馬場に集まるお客様やこのインタビューをお聞きの皆さんにメッセージはありますか?
・競馬場に来る人にはレースを楽しんで頂いて、インタビューを聞いてくださっている方には今日1日いい日を過ごして頂けますように(笑)。
◎
ダークシャドウは2000メートル前後で実績を残している馬ですが、この馬のマイルの距離での適性はどう感じますか?
・確かに疑問符が付くことはあります。今まで2000とか2200メートルを走っていたわけですから、そこからマイルになることで疑問符が付くことになりますが、先ほども言いましたように今日の調教も良く動いていましたし、1600メートルの距離でこの馬がどう走るのか僕はとても楽しみにしていますので、これが新たな
ダークシャドウの道が開ける可能性もあるわけですし、僕自身楽しみにしています。
◎昨年の有馬記念で騎乗された際と比べて変わった点はありますか?
・今朝調教で乗った時に動きも良かったですし、僕としては満足してますので、有馬記念に乗った時より進歩している感じはしました。ただ、今回のマイルチャンピオンシップは皆さんご承知のとおり飛びぬけて強い馬がいるわけではないので、(レースの傾向として)常にレースが混戦なので時には運が必要なことがあるので、レースでどうかということだと思います。
(取材:佐藤泉)
提供:ラジオNIKKEI