手綱は最後まで緩められたままだった。大きなストライドで乾いたチップを舞い上げ、栗東CWでラスト1F11秒8(6F85秒8-38秒8)。折り合い、フォーム、反応など、エピファネイアの全てを“世界のユーイチ”が絶賛した。
帰厩して間もない先月19日。今年初の追い切りでは、気負ってハミをかみ、長めから時計になってしまった。「追い切るたびにどんどん良くなっていくタイプ。雰囲気も良くなってきました」。主戦はコンタクトを重ねるごとに上昇気配を返す相棒の姿に、満足げな表情を浮かべる。この日の追い切りを「道中も無駄な力が入らず、最後の1Fは沈んで走れるようになっていました」と振り返り、「去年の秋くらい折り合っていました」と、圧勝を決めた菊花賞前の姿をオーバーラップさせ、笑顔を見せた。
先週末のドバイデューティフリーをジャスタウェイで制覇。それも2番手以下を6馬身以上も突き放す「インパクトのある勝ち方」(福永)で、人馬ともその名を世界に知らしめたばかり。その男が「これからの競馬界を背負って立つ一頭」と心酔するのがエピファネイアだ。同い年のダービー馬キズナや、牝馬GI・3勝のメイショウマンボがいるだけに「胸を借りるつもりで」と謙虚に話しつつも、「2000mだと折り合いの不安もないし、楽しみしかありません」と余裕の表情を見せた。
この後は、クイーンエリザベスII世C・香港GI(27日・シャティン、芝2000m)へ。壮行レースのここで世代最強をアピールし、海を渡る。
提供:デイリースポーツ