いざ2冠へ-。桜花賞馬が万全の仕上げを施された。
ハープスターは栗東CWで
ユニバーサルバンク(6歳オープン)と併せ馬。直線でパートナーの内に進路を取ると、軽く仕掛けた鞍上の合図に鋭く反応。一杯に追われる相手を尻目に、余裕の手応えのまま6F83秒3-38秒3-12秒0をマークし、1馬身先着を決めた。
松田博師は満点の
ジャッジを与える。「あんなに動いたのは久しぶり。今までならフワフワするところがあったのに、最後は突き放した。これまでになかったことやな。心身ともにいい方へ向いているんだろう」。圧倒的な末脚を発揮して1冠目をもぎとった、前走時の追い切りを上回る絶品の動きに納得の表情を浮かべた。
牝馬クラシックで7勝を挙げる名将の仕上げに狂いはない。「前走後も順調にこられたのが何より。食欲旺盛だしな。緩めずにやれているのがいい。体も前走よりも良くなっているように映る」。牝馬らしくふっくらと見せる鹿毛の馬体は毛ヅヤも
ピカピカ。桜花賞までに見せてきた潜在能力の高さだけではない。成長力も強調し、胸を張った。
ここまで5戦4勝。阪神JFこそ鼻差2着に敗れたが、強烈なパフォーマンスでキャリアを重ねてきた。今回は未体験の2400メートル。距離の克服はひとつの課題となる。それでも「能力が違い過ぎるんだから心配はしていない。まあ、負けたら距離だと思うけど、負けるとも思っていない」と力強く言い切った。
ハープスターの祖母にあたる93年
ベガ、そして09年
ブエナビスタの蹄跡を追い、厩舎3頭目となる牝馬クラシック2冠達成へ。秋には凱旋門賞を見据える規格外の“キラ星”が再びまばゆいばかりの光を放つ。