老衰で死亡したバンブーメモリー「毎年ファンの方が来てくださいました」

2014年08月11日 13:05

生まれ故郷で余生を過ごし、29歳でこの世を去ったバンブーメモリー

 1989年の安田記念(GI)、1990年のスプリンターズS(GI)に優勝し、2年連続「JRA賞最優秀スプリンター」に輝いたバンブーメモリー(牡)が、8月7日に北海道浦河町のバンブー牧場で老衰のため亡くなった。29歳だった。

 バンブーメモリーは、1985年5月14日に北海道浦河町のバンブー牧場に生まれ、1987年11月に栗東・武邦彦厩舎からデビュー。5歳(旧馬齢表記)になってから頭角を現し、オープン入り初戦のシルクロードS(当時はOP特別)で3着に好走すると、続く安田記念でダイゴウシュール以下を退けてGI制覇を成し遂げ、一気にトップホースの仲間入りを果たした。

 翌年のマイルCS(GI)ではハナ差の2着に敗れたものの、ゴール板に入るまで続いたオグリキャップとの死闘は、今なお名勝負として語り継がれている。

 1991年のマイルCS(GI・8着)を最後に現役を引退して種牡馬となったが、目立った産駒を出せないまま2005年に種牡馬を引退。同年12月から引退名馬として、生まれ故郷のバンブー牧場で余生を送っていた。

「8月7日、放牧地で倒れているのを、お昼の休憩時間に発見しました。ここのところ北海道も暑かったですし、29歳と高齢でしたから体力的なものもあったのだと思います。種牡馬をしていた頃は結構元気でしたが、引退名馬として繋養が始まった頃は大人しくなっていましたし、扱いやすい馬でした。高齢ということもあって、放牧地で走り回るということもなかったですしね」と、バンブー牧場代表の竹田辰紀さんは、亡くなった時の状況と、バンブー牧場で余生を過ごしていた同馬の様子を教えてくれた。

「毎年ファンの方が会いに来てくださいました。もちろんリピーターの方もいらっしゃいましたよ。マイルCSでオグリキャップに勝っていたら、この馬のその後の馬生も変わっていたのかなと思うこともありますが、あの死闘が多くの皆さんの記憶に残っているということは、良かったと思います。亡くなってしまったのは残念ですが、29歳なら大往生だと思いますよ」(竹田さん)

 種牡馬としては不遇ではあったが、生まれ故郷でゆったりと暮らし、大好きだったであろう放牧地で息を引き取ったバンブーメモリーは、竹田さんの言葉通り、大往生だったのではないだろうか。

(取材:佐々木祥恵)

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