メイショウマンボ飯田師「このまま終わることはない」/有馬記念厩舎情報

2014年12月24日 18:42

飯田師が「ガタッときた時に負けないハートの強さを持った馬」と語ったメイショウマンボ(写真は2013年エリザベス女王杯優勝時)

 有馬記念へ向けて、輝きを取り戻したいGI3勝馬・メイショウマンボ(牝4、飯田祐史厩舎)。1週前17日(水)は、大久保龍志厩舎の攻め駆けするラヴァズアゲインとビッシリ併せ馬を敢行し、今日24日(水)の最終追い切りは、坂路でソフトな仕上げを施した。

 飯田祐史調教師は「1週前追い切りでは、マンボが途中でグンッと勢いをつけるメリハリのある調教をしたかったんです。半マイルすぎからビュンッといき、ゴールまでしっかり頑張っていましたね。今日の最終追い切りは、渋滞も考えられる輸送を考慮して、“まだまだいけるよ”というところで止めました。予定通りきています」と内容に満足の表情だ。

 振り返ると、今年は5月のヴィクトリアマイルで僅差の2着こそあったものの、それ以降は2桁着順が続く。凱旋門賞挑戦の期待もかかったメイショウマンボ本来の力をなかなか発揮できていない。

 管理する飯田祐史調教師は騎手時代に「一番印象に残っている」という祖母メイショウアヤメからメイショウモモカ、メイショウマンボと3代にわたってこの血統に跨った。メイショウマンボには、デビューからの2戦で手綱をとり、騎手を引退後は父・明弘厩舎で技術調教師として調教に跨った。「3歳年明けのこぶし賞後くらいから体幹がしっかりして、乗っててブレない。すごいなぁと思いました」と、間近で成長を感じてきた。

 そして今春、定年引退した父からバトンを引き継いだ。いわば、メイショウマンボの全てを知るホースマンだ。「昨秋の秋華賞やエリザベス女王杯の頃は、内側から力がみなぎるようないい体でした。でもこの春や秋の京都大賞典ではレース後、全力で走りきったのかな?と思うことがありました。これまでマンボがいいレースをしていた時は、道中から前に行く気を出すようなエネルギーに溢れた走りをし、それを騎手が一生懸命折合いをつけてくれた時です。そういうちょっとピリッとした状態に持っていけたらと思っています」

 父から厩舎を引き継いでの開業でも、厩舎の場所は変わる。しかしそれ以外で、何か変化はあったのだろうか。「担当厩務員は同じですし、調教のやり方なども大まかな流れは変えていません。少し神経質な馬なので、僕は不必要にマンボの前をウロウロしないようにしています。マンボの馬房前にある入口からも厩舎には入らないようにしています」。繊細な性格が、レースでいい方に向かうように細やかな気配りをする。

 最後に、ファン投票12位で迎える有馬記念について「今年、結果を残せていないのにこの順位は本当にありがたいです。マンボは、ガタッときた時に負けないハートの強さを持った馬です。強いはずだから、このまま終わることはないと思っています」とまっすぐ前を見つめ、さらにこう続けた。

「素晴らしいメンバーが揃いましたが、マンボも順調ですし、一生懸命走って有馬記念での結果はもちろん、さらに今後につながるきっかけが掴めればいいですね」

 3万票の声援を胸に、輝きを取り戻せるか。(取材・文:大恵陽子)

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