まんまと逃げ切り、重賞初制覇のノットフォーマル=中山競馬場
「第31回フェアリーS・GIII」(芝1600m)は12日、中山11Rに16頭で争われ、先手を奪った11番人気の
ノットフォーマル(美浦・中野)がそのまま押し切り快勝。してやったりの逃げ切り勝ちで波乱を演出した。勝ちタイムは1分35秒2。3/4馬身差の2着は8番人気の
ローデッド、さらに3/4馬身差の3着には3番人気の
テンダリーヴォイスが入った。
「うれしいです。最後にしぶとい馬。持ち味を生かせました」とうなずいた黛は、06年のデビューから10年目で重賞初制覇。「1、2年目は(ともに2勝と)足踏みして、重賞を勝つのは夢のまた夢でした。オーナーや先生に感謝です」。元騎手で、
ノットフォーマルの担当厩務員である父・幸弘さんと並んで表彰台に立つという最高の1日になった。
01年スプリンターズS(トロットスター)以来、14年ぶりの重賞Vとなった中野師も感無量の表情。「もう勝てないのかと思った。久々の重賞の味? しょっぱいね」と喜びをかみしめる。「きょうは黛親子(が主役)だね」と2人の労をねぎらったトレーナーが、当面の大目標に見据えるのはもちろん桜花賞(4月12日・阪神、芝1600m)だ。
「(賞金を加算し)権利を獲ったから堂々と(向かう)」。90年ダービーをアイネスフウジンで逃げ切り“ナカノコール”で府中のスタンドを揺るがせた男が、久々に挑むクラシック。春の仁川で満開の桜を咲かせたい。