白毛馬ユキンコと、担当の「白馬の王子様」沢調教助手(撮影:佐々木祥恵)
3月1日(日)の中山3Rの新馬戦(ダ1200m)で、白毛のユキンコ(牝3・美浦・天間昭一)がデビューする。2週前のデビューを目指していたが、残念ながら除外され、短距離を求めてここまで待った。厩舎を訪ねると、洗い場には目を見張るような真っ白なユキンコが立っていた。父アドマイヤコジーン、母は白毛のマダムブランシェ(母父ミラクルアドマイヤ)。白毛は母譲りのようだ。
「最初、検疫で見た時には、あまりの白さでビックリしました」と担当の沢昭典調教助手。驚いたのは人間だけではない。「厩舎周りを運動している時に、他の厩舎の馬がユキンコを見て、すっ飛んで逃げていきました(笑)」(沢助手)
そんなユキンコが美浦に入厩したのは、1月初旬。ゲート試験も1回でクリアし、順調に調教が積まれている。「ゲートの中で写真撮影ができるくらい、ゲート内では大人しいですよ」(沢助手)。普段の性格も基本的に大人しく、走りは一生懸命で真面目だが「もう少し成長して体が大きくなってほしい」というのが、担当者の今の願いだ。
「本人は白馬の王子様のつもりでいるみたいですけど、実際は白馬に乗った召使いですからね」と、同厩舎の谷中公一調教助手が沢助手をからかっていた。「こちらが怒ると蹴り返してくるんですよ。いつも喧嘩していますよ(笑)」(沢助手)とのエピソードからも、それは窺える。
レースに関しては「雨予報も出ていますので、ユキンコが泥んこにならないように祈りたいです」と沢助手は控えめだが、怒ると蹴り返してくるというユキンコの気性の強さがレースでも発揮されれば、楽しみもありそうだ。(取材・写真:佐々木祥恵)