近畿地方が梅雨入りとなった3日。朝日が差すことはなかったが、栗東坂路をエネルギッシュに駆け上がる
ダノンシャークは輝いて見えた。坂上手前。先行していた併走パートナーの
タイキクロスビー(3歳未勝利)を軽いアクションで突き放す。4F54秒1-39秒6-12秒4を計時し2馬身先着した。
予定していたマイラーズCを左前脚の挫石で回避。ローテーションの再考を迫られたが、症状は軽度だった、という。最終追い切りで完全に不安を払拭(ふっしょく)した形。「馬場は悪かったのですが、動きは良かったです。調子はいいですし、体がひと回り大きくなってパワフルに。爪も大丈夫です」。感触を確かめた岩田は、その過程を誤算とはとらえていなかった。
見届けた大久保師をうなずかせる内容だったと言っていい。「先週、下(CW)でびっしりやっていますから坂路でおしまいを強めに。楽に走って楽に前をつかまえ、気持ち良く行けて良かったです。間隔があいた影響はないかなと思っています」。
阪急杯→安田記念の道筋は、1年前と同じ。ただ、昨年は得意ではない道悪と格闘しての4着だった。「このパターンでも馬場が悪いなか、しっかりと走ってくれていますからね。やはり良馬場の方がいいのは確かなので」。指揮官は良馬場決戦を渇望。昨秋、マイルCSを射止めてGIウイナーとなった
プライドをにじませた。ダイワメジャー以来、史上10頭目となるマイルGIダブル制覇へ。府中の杜で
シャークが牙をむく。