動きの良さが目立っていたサトノルパン(撮影:井内利彰)
今週も梅雨空の栗東。夕方になると短時間にバケツをひっくり返したような雨が降っており、少しずつ影響を受けている。特に17日午後は夕方と夜に何度か土砂降りになっており、18日のウッドチップ馬場には大きな影響を与えている。
気温的には過ごしやすい。特に18日は半袖だと少し肌寒く思えるくらいで、蒸し暑さがない点もよい。これから先は暑さに強い馬と弱い馬で、はっきりと違いが出てくると思われるので、そのあたりに注意を払いたい。
【坂路/4F51.9秒】
17日。一番時計はネオヴィクトリア(栗東・平田修厩舎)の4F50.3秒。他にも4F50秒台が3頭いたことや、4F51秒台の頭数が多かったことも考慮すると、この日の馬場は決して雨の影響を受けている印象はなかった。
そんな中でも特に動きが目立ったのは、宝塚記念(6月28日・阪神芝2200m)の出走を予定しているショウナンパンドラ(栗東・高野友和厩舎)。池添謙一騎手が跨って、ミリオンヴォルツを追走する内容だったが、楽に追いついて、楽に突き放した。時計が4F53.5〜3F38.0〜2F24.1〜1F11.9秒と、後半2Fは超抜。個人的には秋華賞優勝時の勢いが戻ってきたように感じている。
先週の馬場差は「±0.0秒」。17日に関しては、かなり速い時計が出ていたので『-0.1秒』で馬場差を記録。18日に関しては、全体的な時計の出方を見ると、雨の影響を受けているので『+0.6秒』で記録している。
【CW/5F66.5秒】
17日。Cコースに関しても、坂路同様、雨の影響はさほど受けていない。時計の出方を見ても、ある程度速い数字が出ている。3F37秒を切っている馬もいるだけに、時計の出やすい馬場状態であることは間違いない。前日のトレセンニュースでお伝えした宝塚記念の1週前追い切りを行ったゴールドシップが6F78.7秒など速い時計をマークしている。
18日は雨の影響を受けた馬場。米子Sの出走を予定しているサトノルパン(栗東・村山明厩舎)が単走で追い切り。調教でも折り合いの難しい馬だが、乗り慣れた調教助手ということもあって、ある程度はスムーズな走り。スタートからゴールに向けて、徐々に加速するラップを踏めており、6F81.4〜5F66.4〜4F52.4〜3F39.4〜1F12.4秒ときれいな加速ラップでフィニッシュ。動きの良さは目立っていた。
なお、先週の馬場差は「-1.0秒」。17日に関しては、先週と変わらない馬場差で問題ないので『-1.0秒』で記録しているが、18日は確実に雨の影響を受けているので、17日よりは時計を要する『-0.5秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は17日、18日ともに追い切りが少数。17日は『±0.0秒』の馬場差だと思われるが、雨の影響を受けた18日はかなり大きな芝の塊が飛んでいたので『+1.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場の追い切り頭数はやや少なめ。インカンテーション(栗東・羽月友彦厩舎)は目一杯に追われて、5F62.9秒をマーク。予定されている帝王賞(6月24日・大井ダート2000m)に向けては、これが実質的な本追い切りとなるのだろう。ちなみに同レースに出走予定のホッコータルマエ(栗東・西浦勝一厩舎)やクリソライト(栗東・音無秀孝厩舎)、クリノスターオー(栗東・高橋義忠厩舎)は、20日に最終追い切りが予定されている。なお、馬場差は、17日、18日とも『-1.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・写真:井内利彰)