シグナライズは操縦性が良さそうで仕上がりも万全(撮影:井内利彰)
先週の新潟芝1600m、牝馬限定戦のメイクデビューは当ニュースでも取り上げたラッキーライラック(栗東・松永幹夫厩舎)が2着に1馬身1/2差をつけて快勝。スタートを決めて、好位につけて、危なげないレースぶりで結果を出した。
レース前々日の調教は松永幹夫調教師と一緒に見ていたのだが、その時に「当初は馬を怖がるようなところがあったけど、そういったところも解消して、本当に順調に来ましたね。体型的にはオークスへ行きたい」と話していた。
レース後に調教師へ取材していないので、今後がどういった路線になるか分からないが、現2歳世代の牝馬路線では有力な1頭になってくるだろう。
【8月26日(土) 新潟芝1600m】
◆シグナライズ(牝、父Frankel、母ワイルドココ、栗東・藤原英昭厩舎)
昨年の阪神JF、今年のオークスを勝ったソウルスターリングと同じFrankel産駒。この産駒は気性的にコントロールが利くタイプとそうでないタイプがいるというのが個人的な印象だが、本馬は追い切りの動きを見るかぎり、操縦性のよさそうなタイプ。
8月に入ってからのCWでの併せ馬では常に後ろから前を捕まえる内容の追い切りを消化しているが、後ろでしっかりと我慢ができている。その分、仕掛けられてからの反応が良く、きっちり前を交わして先着している。調教量も十分なので、仕上がりに関しては万全。あとは新潟の長い直線でどんな切れ味を見せてくれるか楽しみにしたい。鞍上は岩田康誠騎手が予定されている。
【8月26日(土) 小倉芝1200m】
◆アプローズ(牝、父Acclamation、母ワンダーフィリー、栗東・野中賢二厩舎)
父名に馴染みがないかも知れないが、芝短距離で6勝を挙げており、サイレントウィットネスが勝った2003年香港スプリントで5着だった。母系には2012年エーデルワイス賞3着だったヴェントス(父ウォーエンブレム)がいる血統。
本馬は8月9日のCWが実質初めての追い切りだったが、先週の北九州記念に出走したトウカイセンスを追いかける併せ馬で離されることなくついていった。そして、17日のCWでは3歳未勝利を追走して、最後の直線では楽に追いつくと、仕掛けられてから一気に相手を突き離した。「ゲートも速いし、初戦からやれるんじゃないかな」と野中賢二調教師。鞍上は川田将雅騎手が予定されている。
◆ラペールノアール(牝、父ディープインパクト、母バイコースタル、栗東・松永幹夫厩舎)
全兄ティルナノーグは新馬、紫菊賞と連勝しているが、タイプは全く違うようで「こちらはかなり小柄で380キロくらい。レースでは370キロくらいになるかも知れません」と松永幹夫調教師。しかし、その動きに関しては「小さいなりにしっかりと走れているし、走っている時は体を大きく見せますよ」とのこと。
8月16日の栗東坂路での追い切りは4F56.8秒と全体時計は遅いが、ラスト1Fは12.5秒と終いしっかり。「もう体ができているので、テンから時計を出していませんが、やれば出ると思います。ゲートも速いから初戦から楽しみ」と同師。レースは北村友一騎手でデビューする予定。
◆ウインイノベーター(牡、父ナカヤマフェスタ、母ロッタ、栗東・西園正都厩舎)
父は1600万下を連勝して、現在オープンで活躍するヴォージュが代表産駒となるナカヤマフェスタ。母系には芝で4勝、ダートで1勝を挙げたメモリアルイヤー(父ゴールドアリュール)がいる血統で、2016年北海道オータムセールで250万円で落札されている。
8月10日のCWでは先週の小倉芝1800mでデビューして3着だったコンファーメントと互角の動き。17日の栗東坂路での追い切りでは3歳未勝利を追走して、きっちり先着する動きを見せている。「距離に関しては、柔軟に対応できそうなタイプ。ゲートも水準以上だと思いますよ」と西園調教師。
(取材・写真:井内利彰)