日本ダービー2025に出走予定のミュージアムマイル(今年4月撮影、ユーザー提供:くまさん)
皐月賞馬のミュージアムマイル(牡3、栗東・高柳大輔厩舎)が、日本ダービー(3歳牡牝・GI・芝2400m)で史上25頭目の春の牡馬二冠制覇を狙う。
ミュージアムマイルは父リオンディーズ、母ミュージアムヒル、母の父ハーツクライの血統。母はJRAで3勝を挙げて、18年のスイートピーSで2着。曾祖母のサンタフェトレイルは同じく5勝のオープン馬。4代母は名繁殖牝馬のハッピートレイルズなので、93年のマイルCSなど重賞6勝のシンコウラブリイ、24年のオークスと秋華賞を制したチェルヴィニアと同牝系となる。
ここまで6戦3勝。2歳時に未勝利と黄菊賞を連勝したが、朝日杯FSはアドマイヤズームの2着に終わった。年が明けて始動戦の弥生賞は4着だったが、皐月賞でGI初制覇。確かにJ.モレイラ騎手の好騎乗はあったが、直線で弾けるように伸びての差し切りだから、当然ながら馬自身の能力も称えられるべきだ。今回はモレイラ騎手が騎乗できないため、D.レーン騎手への乗り替わりとなるが、そこは目下絶好調の名手。2年前にはタスティエーラで69年ぶりの日本ダービーテン乗りVを成し遂げているので不安はない。
牡馬二冠達成なら20年のコントレイル以来、史上25頭目の偉業。そして異なる騎手での達成なら60年のコダマ以来、実に65年ぶり2頭目となる。そういった意味でミュージアムマイルが「異色の日本ダービー馬」として名を残すことを期待したい。