毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”を
コンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
【ローズS(阪神芝の傾向)】
土曜の阪神は午前7時40分から雨が降り出し、芝は1R発走前の9時31分に良から稍重へ。さらに午後2時5分に重まで悪化した。台風18号本体の雨雲が到達していないため、レース中は1時間に1〜3ミリ以内の降雨だったが、確実に湿ってきている。
土曜の外回り使用のレースはローズSと同じ1800m戦が2Rと9R・野路菊Sの2鞍。いずれも少頭数で参考にしにくいが、2Rは勝った
タイムフライヤーが2番手から抜け出し。9Rは断然人気
ワグネリアンが4角6番手から大外一気。こと外回りに限っては、開幕週から「外差し」が利いており、底力優先の設定といっていい。最終12R・500万下(芝2000m)を勝った
アロマドゥルセが2分2秒0。土曜最終レース時点では「稍重」レベルの時計は出ている。
ただし、問題は土曜深夜から日曜の降雨量だ。日曜未明に一度雨が上がる予報が出ているが、土曜夜と日曜午前8〜9時以降はずっと雨。台風本体が接近する日曜夜以降は豪雨予報。万が一、台風の速度が速まれば、メインの頃が土砂降りという可能性も残している。ちなみにローズSでは過去10年、重馬場施行が3回。08年
マイネレーツェル、13年
デニムアンドルビー、昨年
シンハライトはいずれも外差しを決めている。底力勝負の阪神外回りだけに、道悪巧拙は別として、力があれば外から届く。
ちなみに阪神外回りで行われた08年以降の重〜不良の重賞7戦中、最終4角で4番手以内にいた勝ち馬は1頭もいなかった。今春の阪神牝馬S(芝1600m=重)を勝った
ミッキークイーンが最終4角8番手、12年毎日杯を勝った
ヒストリカル(芝1800m=重)が同9番手。やはり、最後は「決め手」と「底力」を問われる。
無論、水が浮いてスリップするような馬場になれば、真に問われるのは道悪適性。日曜の競馬開催の有無の確認も含めて、当日の天候の推移は十分注意を払いたい。