牡馬クラシック最終戦、長距離突破のカギは/菊花賞展望

2017年10月17日 06:00

近3年の勝ち馬はミッキースワローと同じ6戦のキャリアで菊花賞に臨んでいた(撮影:下野雄規)

 牡馬クラシック最終決戦の舞台は京都芝3000m。かつては秋の京都で嵐山Sという同条件の準オープン戦が行われていた時代もあったが、現在では3歳馬が事前にこの条件を走る機会はない。出走全馬が未知の距離で戦うことになる。

1.凡走からの巻き返しが困難

 過去10年の菊花賞の連対馬20頭のうち、19頭は前走で3着以内に好走していた(例外は2008年2着のフローテーション)。特に最近6年間の1着馬に至っては、5頭までが前走でも勝利していた。唯一の例外である2014年の勝ち馬トーホウジャッカルも、前走の神戸新聞杯で3着とはいえ勝ち馬とタイム差なしで走破している。

2.京都経験が有利に働く

 このレースは関東馬が不振である(15連敗中)ことで知られるが、その主要な原因として、クラシックが地元で行われる関東馬は輸送して京都を走る機会が少なく、菊花賞で超えるべきハードルが増えてしまっていることが挙げられる。たとえレベルが低いところであっても、京都での好走経験は大きな武器になる。

3.キャリアが浅い馬に注目

 サトノダイヤモンド、キタサンブラック、トーホウジャッカル。これら近3年の勝ち馬は、デビュー時期こそ違うもののいずれも6戦のキャリアで菊花賞に臨んでいた。また、キタサンブラック、トーホウジャッカルはいずれも3歳になってからのデビューだった点でも共通している。キャリアの豊富さよりも近況の充実ぶりを重視すべきだろう。


 レイデオロ、スワーヴリチャード、アドミラブルというダービーの上位馬3頭が不在。さらにレイデオロは最重要ステップレースの神戸新聞杯の勝ち馬でもある。

 ならば、今年はセントライト記念の勝ち馬ミッキースワローに注目したい。年明けデビューでクラシック登録すらなかった身だが(今回は追加登録料を払って出走)、それにもかかわらず春には京都新聞杯に出走。坂の下りで一気に動いてしまう若さを出しながら0.1秒差の5着に踏ん張った内容はインパクト充分だった。

 前走のセントライト記念で並ぶ間もなく差し切ったアルアインは、皐月賞馬にしてダービーでも5着。アルアインが毎日杯で降したサトノアーサーが神戸新聞杯でも3着していることを思えば、今回のメンバーではすでに対戦比較で最上位になっていると考えても不自然ではない。あとはいかにレースで能力を出し切れるかにかかるが、状態面は絶好調に近いし京都競馬場も経験済みで、その面でも他馬に対してアドバンテージを持っている。

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