出走態勢が整ってきたミッキーワイルド(写真右、撮影:井内利彰)
今週から始まる中山、阪神、中京開催で2017年が終了。今年はロードカナロア、オルフェーヴルやダートでの活躍が目立つハードスパンなど新種牡馬の活躍が目立っている。阪神ジュベナイルフィリーズ(12月10日・阪神芝1600m)や朝日杯フューチュリティステークス(12月17日・阪神芝1600m)にも有力馬として出走してくる予定なので楽しみ。
【12月2日(土) 阪神芝2000m】
・ヴェルテアシャフト(牡、父ディープインパクト、母ヒルダズパッション、栗東・池江泰寿厩舎)
全兄に同厩舎で管理され、新馬、若竹賞と連勝したジークカイザーがいる血統。本馬はゲート試験に合格した後、一旦放牧へ出されており、11月7日にノーザンFしがらきから栗東へ帰厩。そこから本格的な追い切りを開始している。
11月23日のCWコースでは3歳500万下のサトノクロノスを追走する併せ馬だったが、最後は相手を突き放すような感じで先着。6F84.0秒の時計は平凡だが、終いは11.8秒としっかり伸びている。栗東坂路でも軽く乗って、ラスト1Fが12秒前半を出せる脚力もあり、兄同様、新馬勝ちが見込める態勢が整った。鞍上はM.デムーロ騎手が予定されている。
【12月2日(土) 阪神ダート1400m】
・メイショウカギロイ(牡、父クロフネ、母ハギノハーセルフ、栗東・中村均厩舎)
母系にはダートで5勝を挙げたハギノリベラ(父シルバーチャーム)がいる血統。2016年北海道サマーセールにて、690万円で落札されている。
血統的には少し地味かも知れないが、追い切りでの動きは目立ちまくっている。ゲートに合格した翌週の栗東坂路では、いきなり52.3秒をマーク。11月8日は坂路4F51.8秒だったが、2F時計は24.5秒。この数字が素晴らしく速い。そして11月15日はCWコースで6F82.4秒。坂路だけでなくトラック馬場で動いた点も高く評価できる。鞍上は武豊騎手を予定している。
【12月3日(日) 中京芝1400m】
・ミッキーワイルド(牡、父ロードカナロア、母ワイルドラズベリー、栗東・安田隆行厩舎)
母系に2007年オークス2着のベッラレイア(父ナリタトップロード)がいる血統で、2015年セレクトセール当歳にて、6600万円で落札されている。父は現役時代に安田隆行厩舎で管理された新種牡馬ロードカナロア。同厩舎からはすでに3頭が勝ち上がっている。
本馬については、10月24日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩した時点で「まだまだ太いですね」と厳しい評価だったが、普段からCWコースを2周乗るなどしっかりと運動量を増やしたことで、追い切りでの動きも良化。11月15日の栗東坂路では4F52.5秒をマークし、水準以上の時計を出してきた。11月22日のCWではレースで騎乗予定の福永祐一騎手が跨って、6F82.6秒、1F11.7秒と素晴らしい動きを見せている。じっくりと時間をかけて調整された結果、デビュー戦から力を出せる出走態勢が整ったといってよいだろう。
・ディープエクセル(牡、父ディープインパクト、母エリモエクセル、栗東・小崎憲厩舎)
母は現役時代に1998年オークスを優勝。全姉に芝で3勝を挙げたリトルダーリンがいる血統。10月6日にゲート試験に合格し、その後はゆったりと調整され、時計も目立った数字は出ていなかったが、それが一変したのは11月24日。
CWコースでリリアンローズを追走する内容だったが、楽な手応えで追いついて先着し、時計は6F82.2秒、1F12.2秒と動いた。時計的には週を追うごとに詰めている印象があるだけにまだまだ良くなってくる可能性もありそう。オールドファンにはなじみある血統だけに、どんなレースを見せてくれるか楽しみ。鞍上は武豊騎手が予定されている。
(取材・写真:井内利彰)