毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
【朝日杯FS(阪神芝の傾向)】
前2週に続き、芝は良馬場で開催。これで今開催の阪神は全て良馬場施行と好天に恵まれている。朝日杯FSが阪神に移った2014年以降、前3週はAコースを継続して使用されるのも4年連続で同様だ。土曜は朝日杯FSと同じ外回りのレースは1600m2鞍(3R、5R)、1800m2鞍(4R、12R)が行われた。外回り使用の勝ち馬の最終4角位置は「6番手、4番手、11番手、7番手」。これだけ見ると、差し馬有利に見えるが、典型的な外差しはなかった。
4R未勝利戦を勝ったリシュブールは早めに好位に押し上げて早め抜け出し。残る3鞍を勝ったルメールの騎乗法に現在の外回りを制する鍵が潜んでいる。3Rのオメガラヴィサン、5Rのダイアトニック、最終12Rのトレクァルティスタは全て、道中は内寄りの馬群で脚を温存していた。直線は大外に回さず、馬群をさばいての差し切り勝ち。それだけ内の傷みがまだ少なく、アバウトに外を回しては届かないということなのだろう。
土曜の外回り4鞍は緩ペースが続き、全体時計はさほど目立たなかったが、標準の時計は出る状況。勝ち馬の上がり3Fは「33秒9、33秒9、33秒6、33秒7」と全て33秒台。淡々とした流れなら、瞬発力の絶対値が問われる。先週の阪神JFでも指摘したが「最終4コーナーで中団より前」にいないと厳しい。