1頭で気分よく走れば、スピードの持続力はさすがといった感じのアウォーディー(撮影:井内利彰)
先週までに比べると、冷え込みもかなり緩んだ今週の栗東。14日の調教開始前こそ、-1℃という温度計の数字だったが、15日の調教開始前は7℃。もちろん暖かいという数字ではないものの、前日までの寒さに比べると、かなり楽な感じ。
この気温が馬場状態に変化をもたらしたかも知れない。というのも、15日のCコースはかなり時計が出る状態。氷点下になると、ウッドチップも凍るので硬くなって走りにくい時間帯があるが、このくらいの気温だとちょうどいいクッションなのかも知れない。
【坂路/4F51.9秒】
14日。一番時計は4F49.8秒のゴールドドリーム(栗東・平田修厩舎)。軽量の藤懸貴志騎手が跨って、2回目のハロー直後の追い切りだったこともあって、乗ったスピードが止まらないという動きだったが、それだけ軽快に動ける状態でもあるのだろう。4F目11秒台の頭数も6頭。全体的な数字としては、速い時計は多くなかったが、これは全休明けという日程的なものが影響していると思われる。
15日。一番時計はメモリーハート(栗東・池添兼雄厩舎)とチトニア(栗東・友道康夫厩舎)の4F50.7秒。この数字自体は速くないが、4F51秒台の頭数はかなり多く、馬場状態としては走りやすい印象を受ける。
先週の馬場差は「-0.3秒」。14日に関しては一番時計の数字もほぼ同じなので、先週と同じ『-0.3秒』の馬場差で記録している。15日は『-0.5秒』で馬場差を記録している。
【CW/5F66.5秒】
14日。全休明けということもあって、しっかりと最終追い切りをやるというよりも終い重点で走らせるという内容が多かった。それでも全体時計はある程度出ており、先週までと変わらず走りやすい状態が続いていると思われる。
15日。木曜日だったが、やはり追い切りはこの日に集中。どの時間帯も追い切りで忙しくなったが、どの時間帯も時計が出る。特に目立った動きでなかったとしても、かなり速い時計が出ているケースがあるし、3歳新馬でも6F78秒台と馬場の内目を回れば、速い時計が出る馬場。
そんな中、フェブラリーSの最終追い切りを行ったアウォーディー(栗東・松永幹夫厩舎)が素晴らしい動き。単走だったが、スピードに乗って、4コーナーから直線に向くと、そのままの勢いでゴール。時計は6F80.6〜5F65.7〜4F51.6〜3F38.0〜1F11.9秒なので、馬場状態を考えれば、特筆するほどではない。しかし、1頭で気分よく走れば、スピードの持続力はさすがといった感じ。
もともと芝レースで実績を残していた馬だけに、スタート地点の芝はむしろ歓迎。ここでうまく先行できるようなら、初めてのダートマイルの距離にも対応できるのではないだろうか。
先週の馬場差は「-1.0秒」。14日は先週と変わらない馬場状態。よって馬場差は『-1.0秒』で記録。15日に関しては、かなり時計が出やすい馬場状態だったと思われるだけに『-1.5秒』で馬場差を記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は14日に数組の併せ馬が行われており、しっかりと時計を出してきた。芝生は茶色くなっているが、緩さはなく、決して悪い状態ではない。今週の馬場差は14日、15日とも『±0.0秒』としている。
ポリトラック馬場の追い切り頭数は先週までに比べるとかなり少なくなった。馬場状態に関しては、特に走りやすい、走りにくいと感じることがない状態。よって、14日、15日とも『-1.0秒』で馬場差を記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)