兵庫の名手・木村健騎手が調教師の道へ 笑顔で合格報告「心臓バクバクでした」

2018年03月15日 20:00

調教師試験に合格した木村健騎手(撮影:大恵陽子)

 ついに兵庫のスター騎手の調教師転向が正式決定した。

 3月15日、地方競馬全国協会より地方通算3560勝(JRA6勝)を挙げた木村健騎手(兵庫)の調教師試験合格が発表された。

「いやぁ〜、心臓バクバクでした。合格発表を待っている間は落ち着かなくて、厩舎の中をソワソワと行ったり来たりしとったんよ。ようやく今、ホッとしたところです」

 と笑顔で合格を報告した木村騎手。

 ガッツ溢れる騎乗で多くのファンを魅了してきた。後輩騎手たちは「木村さんが乗ると馬が一変して動くようになる」と口を揃える。1993年10月のデビューから地方で重賞70勝を挙げたほか、JRAではショウリュウムーンで2010年チューリップ賞を制覇。近年は地元・園田競馬場で重賞制覇を遂げると、この春小学校に入学する愛娘がいつも笑顔でお祝いに駆け付けていた。

「娘は最近『なんで(馬に)乗れへんの?』って言っていたけど、理解しているでしょう」と木村騎手。

 昨年7月21日のレースを最後に腰の状態が思わしくなく騎乗を取りやめていた。これまで落馬負傷などで何度も傷め、手術をしてきた場所だ。

「結局、腰が原因で辞めることになったけど、ホンマはもっと乗りたかったです。でも、(怪我による休養で)何度もファンに迷惑をかけてきたので、そういうことをきっかけに調教師になろうと思いました」

 レースに騎乗しなくなり64kgに増えたと苦笑するが、ふっくらしたその顔つきには喜びが溢れていた。

 調教師合格セレモニーは今月29日(木)、園田競馬場で行われる予定。調教師免許は4月1日付で交付される。

「まずは馬を多く集められるよう馬主さんに信頼してもらえる調教師になりたいですね」

 アルドラゴン、バンバンバンク、オオエライジン、そしてかきつばた記念(JpnIII)を制覇したタガノジンガロなど数々の馬で兵庫の競馬を彩ってきた木村騎手。

“兵庫の顔”が新たな競馬人生を歩み始める。

(取材・文:大恵陽子)

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