函館の芝1800mをルメール騎手で予定しているロマンティコ(撮影:竹之内元)
先週紹介したスティルネスが福島の新馬戦を制した。大波乱の七夕賞から一夜明け、これから訪れる猛暑とともに熱い2歳馬がデビューする。
この夏を制するフレッシュな未来の活躍馬たちに注目だ。
◆カイザースクルーン(牡、父ルーラーシップ、母アイスフォーリス、美浦・相沢郁厩舎)
ステイゴールド産駒の母はオークス3着の活躍馬。一族はコンスタントに勝ち上がっており、いとこにアリア(函館2歳S3着)がいる。ゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で乗り込み、6月20日に再入厩。ここ2週は年長馬を相手に追い切られており、動き自体も上々だ。騎乗した石川裕紀人騎手は「まだ少し緩さがあるけど、いい馬です」。相沢郁調教師も「初子にしては馬格があるし、血統的にも期待の1頭。母と同じく長めの距離が良さそうだし、初戦から楽しみにしています」と好感触だ。7月15日、福島の芝1800mを石川裕紀人騎手で予定している。
◆ラギッド(牡、父ブラックタイド、母ジューンブライド、美浦・矢野英一厩舎)
2016年のセレクトセールに上場され、取引価格は2484万円。4歳上の全兄にコメート(ホープフルS2着、ダービー5着)、いとこにブルドッグボス(クラスターC)がいる。先週の7月5日にはウッドチップコースで3頭併せの真ん中に入り、しっかりと長めから追われた。「楽な手応えで動けているし、気持ちの面にも余裕がある。反応も良さそうだし、初戦から走れると思います」と矢野英一調教師。7月15日、福島の芝1800mを石橋脩騎手で予定している。
◆アフランシール(牝、父ハーツクライ、母ルシュクル、美浦・尾関知人厩舎)
サクラバクシンオー産駒の母は新馬勝ちを含め、芝のスプリント戦で3勝した。3歳上の異父姉にブランボヌール(函館2歳S、キーンランドC)、叔父にダコール(新潟大賞典)がいる。美浦で順調に追い切りの本数を積み、7月6日に函館競馬場へ移動した。「しっかりと動けているし、ひと追い毎に我慢することを覚えてきた。スピードタイプの母系だけど、まずは長めの距離から使ってみる。1週前(7月4日)の追い切りでは前の馬を追いかけさせても折り合いが良かったし、あの雰囲気なら対応できると思います」と尾関知人調教師。7月15日、函館の芝1800mを岩田康誠騎手で予定している。
◆ロマンティコ(牡、父エンパイアメーカー、母ウェーブクイーン、美浦・藤沢和雄厩舎)
伯父(母の全兄)にダート路線で活躍したキョウトシチー(交流G2・浦和記念など重賞5勝を含め、通算13勝)がいる。5月にゲート試験をパスしてからも在厩で乗り込み、6月29日に函館競馬場へ移動。先週の7月5日には本馬場でラスト1F11秒7と軽快な動きを見せている。「当初は6月の東京で使うことも考えていたぐらい。いい馬格をしているし、函館の芝は合いそう。しっかりと乗ってきたし、初戦から楽しみ」と藤沢和雄調教師。7月15日、函館の芝1800mをC・ルメール騎手で予定している。
(取材・文:竹之内元)