質の高い追い切りを積んでいるマジックリアリズム(写真中央手前、撮影:竹之内元)
先週の新馬戦では、12年オークス3着のアイスフォーリスの初子カイザースクルーンが人気に応えて勝ち星をあげた。
記録的な猛暑が続く中、今週も引き続き体調に気をつけながらデビューをむかえる馬たちに注目していきたい。
◆アントリューズ(牡、父ロードカナロア、母シーズオールエルティッシュ、美浦・栗田徹厩舎)
兄姉はアドマイヤオウジャ、エルノルテ、エルビッシュなどがコンスタントに走っている。「性格がいいし、折り合いもつく。ゲートも練習では普通に出るし、いい位置で運べそうなイメージ。カナロア産駒にしては中距離向きだと思います」と栗田徹調教師。7月21日、福島の芝2000mを戸崎圭太騎手で予定している。
◆ゲインスプレマシー(牡、父ルーラーシップ、母スカーレットレディ、美浦・高柳瑞樹厩舎)
スカーレット一族の良血。異父兄にダート路線で活躍したヴァーミリアン、サカラート、キングスエンブレム、ソリタリーキングがおり、祖母の全妹スカーレットブーケからもダイワメジャー、ダイワスカーレット、ダイワルージュなど多くの活躍馬が出ている。「まだ緩いけど、背中はいい。ストライドも大きいし、距離的には長いところが合うと思う」と高柳瑞樹調教師。7月21日、福島の芝2000mを内田博幸騎手で予定している。
◆ボスジラ(牡、父ディープインパクト、母ミスパスカリ、美浦・国枝栄厩舎)
全兄のマウントロブソンやポポカテペトルが重賞戦線で活躍しており、伯父にG1を2勝したクロフネがいる。「まだ馬が水っぽいし、動きにもモタモタしたところがあるけど、いいモノは秘めている。距離はあったほうが良さそう。しっかりとしてくれば血統的にも走ってくると思う」と佐藤調教助手。7月21日、福島の芝2000mを田辺裕信騎手で予定している。
◆ポリアンサ(牝、父ハービンジャー、母メジロルルド、美浦・木村哲也厩舎)
牝馬G1を5勝したメジロドーベルの孫にあたる。「キックバックを嫌がったり、まだハミの取り方や走り方にも修正の余地がある。そういう中でも乗り込みの量自体は豊富だし、少しずつ良くなってきた。全兄(マッサビエル)がGI(菊花賞9着)に出走しているぐらいだし、血統的にも素質はある。いろいろと工夫しながら大事に育てていきたい」と木村哲也調教師。7月22日、福島の芝1800m(牝馬)を北村宏司騎手で予定している。
◆マジックリアリズム(牝、父ディープインパクト、母ソーマジック、美浦・尾関知人厩舎)
母はアネモネSを勝ち、桜花賞でも3着に健闘した。兄姉はソーグリッタリングなど3頭とも勝ち上がっている。ここ2週は前週(7月15日)のメイクデビュー函館を快勝したアフランシールや同日の福島で種市特別(500万下)を勝ったダノンポピーと併せるなど質の高い追い切りを積んでおり、ひと追い毎に気配が良化してきた。
「気性的にピリッとしやすい面があるけど、しっかりと長めから動けている。小ぶりな牝馬で仕上がり自体は順調。まだ体形的には前のほうが勝っている感じだけど、素軽いフットワークにはディープ産駒っぽさがありますね」と尾関知人調教師。7月22日、福島の芝1800m(牝馬)を石橋脩騎手で予定している。
◆ウィクトーリア(牝、父ヴィクトワールピサ、母ブラックエンブレム、美浦・小島茂之厩舎)
母は秋華賞の勝ち馬。異父兄にブライトエンブレム、アストラエンブレムがいる。美浦で乗り込み、先々週の末に函館に移動。到着後は7月14日に15-15程度の調教を消化している。「ひと追い毎に上向いてきたし、速いところに行くといい。初戦から勝ち負けを意識できるぐらいの仕上がりにはあると思います」と小島茂之調教師。7月22日、函館の芝1800mを岩田康誠騎手で予定している。
(取材・文:竹之内元)