スピードが求められるオールカマー、アルアインに期待(撮影:下野雄規)
天皇賞(秋)のステップレースとして、勝ち馬には優先出走権が与えられる。しかし、最近ではむしろその先、エリザベス女王杯やジャパンC、有馬記念を睨む馬たちの叩き台として重要性を増しつつある。
1.前走GI組が中心
前走がGIだった馬は過去10年のこのレースで[6-7-1-11]で、勝率24.0%、連対率52.0%という好成績。昨年はヴィクトリアマイルを10着に敗れていたルージュバックが勝利して安田記念7着のステファノスが2着。札幌日経オープンを快勝して2番人気に推されたモンドインテロは9着に敗れた。格下レース好走組よりもGI凡走組を重く扱うべき。
2.スピードが必要
新潟施行を含む過去10年間のうち、4コーナーで4番手以内の馬が8勝している。また、昨年は前走でマイル戦を使われていた馬のワンツーだった。近年はレース上がりが速くなるのが通例であり、勝ち切るためにはいいポジションで競馬ができるスピードが必須になる。
3.8月以降に使われた馬は割り引き
8月以降に使われていた馬の勝利は、最近では2009年のマツリダゴッホが最後で、2着も2013年のメイショウナルト以来途絶えている。前出のモンドインテロのほかにも、2014年は小倉記念以来だったサトノノブレスが1番人気で16着、2012年も札幌日経オープンから臨んだルルーシュが1番人気4着。
昨年の皐月賞馬とダービー馬が出走予定だが、スピードという観点から皐月賞馬アルアインを上に見るのが妥当だろう。中山では皐月賞制覇にくわえてセントライト記念でも2着。レイデオロとの直接対決でも2勝1敗と勝ち越している。大型馬ながらこれまで2か月半以上の休み明けは1・2・2着。競馬がしやすい馬で乗り替わりも大きな不安材料にはならない。