10月31日のCWはC.ルメール騎手が跨っての追い切りだったレティキュール(撮影:井内利彰)
昨年の5回京都開催2週目に行われたダート1800mを勝ったのはテーオーエナジー(栗東・宮徹厩舎)。3歳春には地方交流重賞の兵庫チャンピオンシップを勝っているが、この時の4着だったスマハマ(栗東・高橋亮厩舎)は3歳オープンのヒヤシンスSを勝つなど、ダートの活躍馬が出ている。
今年の11月10日(土)京都ダート1800mにも注目馬が集まった。血統的にはなんといってもゼルク(栗東・松永幹夫厩舎)だろう。アウォーディー、アムールブリエ、ラニといった兄姉がいる、厩舎ゆかりの血統でもある。鞍上は武豊騎手が予定されている。
【11月10日(土) 京都芝1600m(牝)】
◆ピノクル(牝、父キングカメハメハ、母ピンクカメオ、栗東・音無秀孝厩舎)
母は2007年NHKマイルCを優勝、おじには2001年安田記念などG1を2勝したブラックホーク(父Nureyev)がいる血統。半姉には芝で3勝を挙げているフライングレディ(父ディープインパクト)がいるが「きょうだいの中でも一番大きいみたいですね」と音無秀孝調教師。
10月4日の坂路では一杯に追って、4F54.5秒という時計だったこともあり、同師もコメントに慎重だったが、やるたびに動きは良化してきた。10月31日は時計を要する馬場状態だったが、そこで4F53.2秒をマーク。併せ馬は追走先着という内容で、ここにきて出走態勢は整った。鞍上はC.デムーロ騎手が予定されている。
【11月10日(土) 京都ダート1800m】
◆ウインプラウド(牝、父Lemon Drop Kid、母Dame Ursula、栗東・西園正都厩舎)
母系には2017年スイートピーSを勝ったブラックスビーチ(父ディープインパクト)がいる血統だが、父は現役時代にベルモントSを勝っているダート種牡馬。日本で活躍した産駒にはダートで4勝を挙げたフミノメモリーがいる。
これまでCWでの追い切りを続けてきたが、併せ馬で先着できなかったこともあり、見ていても地味に感じたが、10月18日のCWでは6F81.1秒で動いていたように、数字的には決して悪くなかった。そして、動きが目立ったのは11月1日のCW。初めて併せ馬で先着して、6F82.9秒、1F12.7秒と最後までしっかりした走り。追うごとに中身が出来てきている印象だけに、最終追い切りで更に上昇してきそう。鞍上はJ.モレイラ騎手が予定されている。
【11月10日(土) 東京芝1400m】
◆アメリカンソレイユ(牝、父Tapit、母Funny Feeling、栗東・藤岡健一厩舎)
父産駒にはラビットランのように、芝でもダートでも高いパフォーマンスを見せるというタイプもいるが、やはりダートでの活躍馬が多い。また、おばにはダート1400mのG1を3勝したPussycat Doll(父Real Quiet)がいる血統。
本馬はゲートも速く、初戦向きの気性。10月31日のCWでは古馬500万下のグレンマクナスに先行して相手が追いつこうとするところを抜かせない動きで同入。ラスト1Fは11.7秒の瞬発力を使っており、芝でも十分対応できるスピードを見せている。騎乗した仲田雅興調教助手は「手応えにはまだ余裕がありました」ということなので、性能の高さを感じさせる。鞍上は福永祐一騎手が予定されている。
【11月11日(日) 京都芝1800m】
◆レティキュール(牝、父ハーツクライ、母ファッションプレート、栗東・斉藤崇史厩舎)
母はサンタアニタオークスでG1を優勝、本馬が初仔となる。牝馬にも関わらず、牡馬相手のこの距離を選択してきたが、それにふさわしい存在感ある馬体が印象的。
10月31日にCWでレースで騎乗予定のC.ルメール騎手が跨っての追い切り。古馬1000万下を追走する内容だったが、内から楽に追いついて同入。6F83.1秒、1F12.2秒はあまり目立たない数字だが、当日の馬場状態と追い切った時間帯から水準以上の時計と判断してよい。まずは初戦でどんな走りを見せてくれるか楽しみ。
(取材・文:井内利彰)