出走メンバーでは実績上位のエアアンセム。地元出身の田辺騎手の手綱で重賞2勝目を狙う。写真=武田明彦【netkeiba.com】
11日の福島記念は、福島競馬場開設100周年を締めくくるラスト重賞。地元の筆者に攻略法をとのことだが、正直、難解である。福島競馬場で行われる重賞は福島記念と七夕賞がハンデ戦で、福島牝馬Sは牝馬限定。ラジオNIKKEI賞もハンデ戦になった。どの重賞も正直、得意ではない。
とはいえ以前よりは人気馬、重ハンデ馬が好走している。芝コースが、エクイターフの導入後に高速化して荒れ馬場でなくなったために、力のない馬では好走しにくくなった。さらに、軽量馬の参戦が少なくなっていることも波乱が少なくなっている要因だろう。今年など最軽量馬は54キロだ。ハンデ差が少なければ、別定戦と変わらない。実績上位の重ハンデ馬が好走するのも当然といえる。
あまり指摘されていないが、大きなポイントは2014年からの日程変更だ。11月2週目に開催されるようになると、天皇賞・秋からは中1週となるため、2012年から連覇したダイワファルコンのような馬の参戦が望めなくなった。同週にエリザベス女王杯もある。軽量で出走すべき牝馬は当然、GIに向かう。今年も牝馬の参戦は少ない。
2014年以降目立つのは3歳馬の好走だが、今年は3歳馬の参戦がない。古馬勢は天皇賞・秋とマイルCSの谷間だけに、GIでは一歩足りないがGIIIなら勝ち負けというレベルの実績馬が好走するケースが目立つ。ローテーションは前走富士S、オールカマー、毎日王冠と強敵相手に戦ってきた馬や、オクトーバーS(かつてのアイルランドT)好走馬、準オープン勝ち馬ということになる。実績馬に挑むためには勢いがないと厳しい。
今年のメンバーなら、函館記念を制してオールカマー4着のエアアンセムが注目だろう。福島県出身の田辺騎手の参戦も地元の期待を集める。小回り向きの器用さもある。オクトーバーS組なら2着マイネルハニーが復調気配だが、同4着スティッフェリオは小回りで先行策なら条件が合う。札幌記念で早仕掛けで9着だったマイスタイルの55キロは恵まれた印象。休み明けの好走馬はいないだけに、トップハンデのサトノノブレスあたりは割引が必要だろう。このあたりも考慮して結論を出したい。
(文=福島民報社・高橋利明)
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