年上のオープン馬と併せるエデリー(撮影:竹之内元)
今年も東京競馬場では様々なドラマがあった。秋の終わりを告げると共に、そんな東京もいよいよ最終週。最後に笑うのは誰だ。
今週も期待の2歳馬が続々とデビュー、どんな未来の活躍馬が姿を見せるだろうか。
◆エデリー
(牡、父ディープインパクト、母ヴァレリカ、美浦・藤沢和雄厩舎)
母の異父弟(叔父)に重賞2勝(きさらぎ賞、マイラーズC)、皐月賞2着のワールドエースがいる。祖母のMandelaは独オークスの3着馬。その異父弟にはジャックルマロワ賞、イスパーン賞、プリンスオブウェールズSと仏英のG1を3勝したManduroがいる。6月にゲート試験をパスしたが、じっくりと秋まで待機。再入厩後も丹念に調教の本数を積み、年上のオープン馬と併せるなどして態勢を整えてきた。
「はじめのうちは弱いところもあったけど、時間をかけて乗り込んだし、ずいぶんと馬が良くなっている。牧場(ダーレージャパンファーム)でも早くから期待されていたしね。立派な馬格をしているし、血統的にも楽しみ」と藤沢和雄調教師。11月25日、東京の芝1800mをW・ビュイック騎手で予定している。
◆フォッサマグナ
(牡、父War Front、母River Belle、美浦・藤沢和雄厩舎)
今年の4月にアメリカで開催されたOBSスプリングセールに上場され、72.5万ドルで購買された。母は英G3・プリンセスマーガレットS、米G2・ミセスリビアSの勝ち馬。異父姉にStrathnaver(米G3・ビウィッチS)、Siyaadah(UAE1000ギニー)がいる。11月9日にゲート試験を合格。先週の追い切りはウッドチップコースで年長馬を相手に併入した。
「なかなか軽い走りをする。いいスピードがありそうだし、この馬も楽しみ」と藤沢和雄調教師。11月24日、東京の芝1600mをC・ルメール騎手で予定している。
◆ファイティングマン
(牡、父ゼンノロブロイ、母アンファミーユ、美浦・尾関知人厩舎)
米国産の母は未勝利。祖母のCopper Stateは米G1・ラフィアンH2着、米G1・ゴーフォーワンドH2着など活躍した。11月8日に坂路で4F51.9-37.0-24.1-12.2の好タイムをマーク。先週の15日にはウッドチップコースで古馬を相手に追走先着と好気配だ。
「時計的にも水準以上の動きで態勢は整ってきたと思います。まだ緩さはあるけど、乗り込むに連れて気持ちが乗ってきました。切れるというよりは長く脚を使えそうなタイプです」と尾関知人調教師。11月25日、東京の芝1800mをM・デムーロ騎手で予定している。
◆ラストドラフト
(牡、父ノヴェリスト、母マルセリーナ、美浦・戸田博文厩舎)
ディープインパクト産駒の母は2011年の桜花賞馬。叔父に重賞3勝(札幌2歳S、スプリングS、七夕賞)のグランデッツァがいる。11月15日の追い切りにはC・ルメール騎手が跨がり、本馬場(芝)でラスト1F11秒台をマーク。18日にもポリトラックコースで1F11秒台を出しており、仕上げは順調に進んでいる。
「まだ子供っぽいところがあるけど、性格は真面目。ひと追い毎に反応も良くなってきたし、いい切れがありそうなタイプです」と斉藤調教助手。11月25日、東京の芝1800mをC・ルメール騎手で予定している。
(取材・写真:竹之内元)